ややこしいブリューゲル  有川知津子

この辺りではめずらしい〈積雪〉である。


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この風景をみて思い出したのは、ピーテル・ブリューゲル(父)。

《バベルの塔》の画家である。

思い出した作品は、《バベルの塔》ではなく《雪中の狩人》。


実は、この広場を抜けると図書館がある。

せっかくなので、画集を開いてみることにした。


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                 《雪中の狩人》


似ているといえば似ている(?)。記憶なんてこんなものかも――


ところで、

去年行った「神聖ローマ帝国皇帝ルドルフ2世の驚異の世界展」に、

このピーテルの次男のヤン・ブリューゲル(父)の作品が展示されていた。

《陶製の花瓶に生けられた小さな花束 という題のそれには、

花瓶から溢れるように46種類の花々が描かれている。

その当時は珍しかった、つまり高価だったチューリップやアイリスなども見える。


ヤン(父)は静物画の名手なのだ。


ブリューゲルの作品紹介を書くのは、やや、ややこしい。

例えば上のように、ピーテルの息子のヤンに「(父)」とつけたりするのだから。


分かってしまえばなんてことはないが、

はじめて板書されたときには先生の間違いではないかと疑った。

これは、ブリューゲル一族には画家が多くて、

その中に父と息子が同名のケースが二つあるためのややこしさである。


こんなかんじに。


▶太祖

ピーテル・ブリューゲル () (1525年頃~1569)


▶ピーテル(父)の子

ピーテル・ブリューゲル () (1564年~1638)

ヤン・ブリューゲル () (1568年~1625)


▶ヤン(父)の子

ヤン・ブリューゲル () (1601年~1678)

アンブロシウス・ブリューゲル (1617年~1675)


ヤン(子)にも画家の子がいるが、とりあえずここまで。


ドストエフスキーを読んでいると、

何かのはずみにピーテル(父)の作品を思い出すことがある。

誰にも言ったことはないけれど。



  ありがたう今日のとびらを日溜まりの気持ちで開いてゆけるわたしを



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Commented by minaminouozafk at 2018-02-14 21:30
去年使っていたカレンダーに雪中の狩人のヤン・ブリューゲルの牧歌的な作品があり、その解説にややこしいブリューゲル一族の名前問題が書かれていました。ちづりんの解説でより面白くややこしくなりました。ありがとう。ほんと、構図が似ている雪の日の写真と、ブリューゲルの絵。素敵。S.
Commented by minaminouozafk at 2018-02-15 00:17
ピーテルを継げなかった次男は悔しさから自分の息子に迷わずヤンと付けたのかな。
それとも現代のファンの混乱を予測してにんまりしてたのかな。酔った頭をますます酔わせる楽しいお話をありがとう。E.
Commented by minaminouozafk at 2018-02-15 06:02
写真と絵がよく似てます!特に木の感じが。ちづさん、すごい発見。ブリューゲル家ややこしいけれど、同じ名前で困らなかったんでしょうね。楽しいけれどくらくらします。Cs
Commented by minaminouozafk at 2018-02-15 07:43
本当にこの冬は雪を何度も。真っ白の光景はワクワクします。ブルューゲル家ごちゃごちゃになってます。カタカナはますます覚えられません。日溜まりの気持ち…で今日も頑張ります。 N.
Commented by minaminouozafk at 2018-02-15 08:16
これがあるから、海外の文学に手が出ません(言い訳ですが笑)。ナンバリングして欲しい!
今年はちょっとした雪景色に巡り会えました。Y.
Commented by minaminouozafk at 2018-02-15 10:41
親子で同じ職業、名前も同じブリューゲル家。徳川家の将軍の名前がこんな風に同じだったりしたら、受験生がきっと泣きますね。世界史で習ったギルド制度などを思い出し懐かしくなりました。A
Commented by minaminouozafk at 2018-02-16 20:59
ややこしい話を読んでくださって、ありがとうございます。親の名前を受け継ぐってどんな気持ちなのでしょうね。
みなさんのコメントを読みながら、いろんなことを考えてしまいました。Cz.
by minaminouozafk | 2018-02-14 06:28 | Comments(7)