2018年 01月 18日
雪景色 鈴木千登世
今年の最強寒波が訪れ、平地でも雪の積もった先週。
私の住む山の近くも一面の雪景色。
常緑樹の多いこのあたりでは雪は葉の上に積もるので、雪が降ると山全体が白く覆われる。
雪の鳳翻山(ほうべんざん)
けれど落葉樹の山では、降る雪は木の上には積もらず山の地肌を白く覆うばかり。落葉した木々がほそほそと並んでいる山を遠くから眺めると、うぶ毛の生えているようにけぶって見える。
去年訪れた長野県で。遠くに北(?)アルプスが見える
落葉樹ばかりの山はこのあたりでは見かけない。だから長野で、北海道で、けぶるような雪の山を見たときには、美しさに惹かれながらも異郷にいることをしみじみと感じた。
異郷といえば、去年は公私にわたって旅をすることが多かった。
南と北では山の表情が違う。緑の濃いこちらの山々に比べて、北上するに従って木々の種が変わりどんどん山が繊細になっていくようだった。夕暮れも早い。3時を回ると太陽からしだいに力が失せ一気に夕暮れになるよう。旅が好きなのは変わらないのに、年を取ったからなのだろう、見るもの見るものに心躍りながらも身体の芯がどこかひんやりして、旅を終えて新山口駅で眉の濃い南の顔と出会い、山口弁のイントネーションの中に混じるたび、ああ戻ったと安堵するようになった。
身を寄せて巣穴に眠るものの上に雪降り沈み雪降り積もる
さて、鳳翻山手前のおむすびのような、ぼた山のような、ツインズ気になる~。E.
昔は思いもしなかったのですが、つくづく南の顔です。こちらの駅に降り立つと「帰ってきたなぁ」としみじみします。Cs