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「現代文」収載短歌Ⅱ  有川知津子

先週、「現代文」(第一学習社)収載の短歌から「犬」の歌を紹介した。

今日は、「猫」の歌の4首をご紹介しよう。


「猫」とは、断固として十二支に所属しないがゆえに、

オールマイティの地位に鎮座している、あの毛のモノをいうのである。

(漱石の作物を略していう場合にも使われる)

見わたせば、歌人に猫好きは多い。

「猫の歌には弱いね~」という選者も棲むなる歌壇である。


そんな「猫」であるから詠まれた歌の数はしれず、

もし、近現代短歌集「猫」編などというものが編まれようものなら、

いったい何巻本になるか。


つまり、言いたいのは、この教科書の4首が、いかに厳選かということ。



猫のひげ銀に光りて春昼のひとりの思ひ秘密めきたる

小島ゆかり

やがて発光するかと思うまで夕べ追いつめられて白猫膨る

永田和宏

朱の壺に漆黒の猫迫りゆき事のおこりは何げなかりし

富小路禎子

頸つかみ猫の子みれば両の眼にわれをうつしてまばたきをせり

筏井嘉一



このラインナップ!


ここには、北原白秋画伯の白猫がふさわしかろう。


「現代文」収載短歌Ⅱ  有川知津子_f0371014_05205972.jpg


              〈白秋画、岩波版白秋全集より〉




         *  *  *


  ひとり子の微熱やうやく去りし春 祖母は老いたる猫を撫でたり



Commented by minaminouozafk at 2017-11-01 18:59
猫〜〜‼︎犬があれば猫、というのも面白い。ゆかりさんの作品、覚えがあります。オールマイティの座に鎮座する、あの毛のモノ、私もだーいすき。白秋のガハク力、これもまただーいすき! S.
Commented by minaminouozafk at 2017-11-01 19:08
どの歌も猫好きにはタマラナイ!永田作品の猫あやうし具合、富小路作品の猫へのおおらかなまなざし・・・
白秋画は一筆箋での「思ひ出」の黒猫が有名!?ですが、白猫もイイ~。ちづりん、ありがとー。E.
Commented by minaminouozafk at 2017-11-01 20:33
やはり猫は心をざわざわさせますね。どの歌の猫もいいなあ。白秋の絵も。歌の上手い方は画力もあることがわかります。Cs
Commented by minaminouozafk at 2017-11-01 21:23
リクエストにお応えくださって嬉しゅうございます。猫の歌、どれも秀逸ですね。白秋画伯の猫の絵、ユーモラス。楽しませて頂きました、ありがとうございます。A
Commented by minaminouozafk at 2017-11-02 00:07
ねこ、猫、ネコ。猫は百面相ですね。大好きな猫の歌をたくさん読んで、詠んでみたいです。Y.
Commented by minaminouozafk at 2017-11-02 07:00
猫の歌ほんと素晴らしいです。日向ぼっこしてる野良猫に話しかけて面倒くさそうに相手してもらってます。N.
Commented by minaminouozafk at 2017-11-02 23:07
教科書短歌、おもしろい。Cz.
by minaminouozafk | 2017-11-01 05:26 | Comments(7)