ガラスのペン  鈴木千登世

ある日、妹がガラスのペンをプレゼントしてくれた。

誕生日でも何かのお祝いでもなく、お菓子をお裾分けしてくれる時のような感じで「はい」と手渡してくれた。文房具店で一目惚れして、自分用の一本だけでは満足できずに私に贈るという名目でもう一本買ったのだという。



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実はその時までガラスのペンがあることを知らなかった。貰ったのはごくごくシンプルなペンなのだけれど、ガラスならではの透き通った美しさと手に馴染むほどよい重さにすぐに魅了されてしまった。書き味も良い。



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インクにつけると先端のこの溝にインクが吸い上げられてかなりの文字が書ける。(毛細管現象というのだそうだ)書くうちにインクの濃淡が生まれ独特の味わいとなる。溝にインクが入るとまた美しい。

てっきり外国で作られたものと思っていたら、明治時代(1902)に日本の風鈴職人によって考案されたものという。風鈴とペンがどこで結びついたのだろう。ネットで検索すると美術工芸品と呼ぶべき美しいペンの画像が次々と現れる。実用的でありながら、持ってるだけで嬉しい道具。 


 朝夕の急な冷え込みに公孫樹の黄葉が一気に進んでいる。読書の秋、物思う秋、人思う秋。なかなか会えないともだちに手紙を書くのによい時分となった。



ひらがなの多き手紙を君に書くハロウィンに沸くとうきやう思ひ

青インクは冬の匂ひと思ひたりガラスのペンで様と書きつつ


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前の職場のお隣さんからいただいたクリップ。これも持ってて嬉しい。


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Commented by minaminouozafk at 2017-10-26 19:08
お洒落で優しい妹さん。本当に文具ってわくわくします。
私も以前は目新しいものを見つけたら父にも買ってたなー。思いを共有したいのですよね。ガラスペンの毛細管現象見てみたい。E.
Commented by minaminouozafk at 2017-10-26 22:05
美しいペンですね。ちーさまの端正な文字を思い出しました。大学の演習、講読は、まだ自筆でコピーだったのだけど、ちーさまの字を惚れ惚れ眺めた記憶があります。このペンで書かれたものが見たいなあ。短歌も素敵。冬の匂い、ほんとに。S.
Commented by minaminouozafk at 2017-10-26 22:14
美しい文具を使って書く美しい文字、字のきれいな方にあこがれます。字が下手な私ですが、ガラスの輝くペンで書けばすこしはきれいに書けるのではないかと希望をもちました。A
Commented by minaminouozafk at 2017-10-26 23:10
贈るという名目、なんてあたたかい! 姉妹ってとてもいいものなのですね。素敵なお話をありがとうございました。
ガラスペンは日本の風鈴職人さんの考案なのですね。久しぶりに使ってみましょう。Cz.
Commented by minaminouozafk at 2017-10-27 08:22
先月、小樽の北一硝子のお店で見かけました。試し書きできたので触りましたが、驚くほどの滑らかな線が書けました。優しいペンですね。インクの匂いも懐かしい父の思い出です。Y.
Commented by minaminouozafk at 2017-10-27 08:31
むかし父がインク瓶にペン先を付けて書いているのを見て大人だなぁって思ってました。ガラスのペンって素敵ですね。懐かしい手紙を書きたくなる秋の夜長です。N.
Commented by minaminouozafk at 2017-10-27 22:42
思いを共有したい。なるほどです。英子さんありがとうございます。
早苗さん、誰かと間違えてるのでは。(^_^;)
ガラスのペン良いですよ。晶子さん、ちづさん、ユリユリさん、ななみさん使ってみてくださいね。 Cs

by minaminouozafk | 2017-10-26 06:22 | Comments(7)