2017年 07月 05日
夏越 有川知津子
一年の折り返しにあたる6月30日は、
各地の神社で、半年間の罪・穢れを祓う〈大祓式〉が行われる。
『和訓栞』によると、「けがれ」は「気枯の義」。
気が枯れることが、穢れの語源という一説。
「気」とは、生命エネルギーそのもののことであろう。
そのエネルギーが枯れてしまうのが、穢れ。
つまり、〈大祓式〉は、枯渇した生命エネルギーをよみがえらせる壮大なシステムである。
さわさわと風が渡るなか、進行役の神職が立つ。
式次第にそって、控えていた神職が進み出て「大祓詞」を唱えはじめる。
屋外ということもあり、その詞は明瞭にというわけにはいかなかったが、
馴染みのある音の連なりはおのずから補整され、確かな詞となって耳にとどいた。
ところで、「大祓詞」の後段に次のような箇所がある。
――速川の瀬に坐す瀬織津比賣と言ふ神 大海原に持ち出でなむ 此く持ち出で往
なば 荒潮の潮の八百道の八潮道の潮の八百會に坐す速開都比賣と言ふ神 持ち加
加呑みてむ 此く加加呑みてば 気吹戸に坐す気吹戸主と言ふ神 根國底國に気吹
き放ちてむ 此く気吹き放ちてば 根國底國に坐す速佐須良比賣と言ふ神 持ち佐
須良ひ失ひてむ――
四柱の神様がリレーして、すべての罪・穢れを祓ってゆくというところ。
ここを教えてもらったのはいつだったか。そのときの驚きは忘れられない。
ハヤアキツヒメの「加加呑み」(がぶがぶ呑むこと)の明朗な豪快さが、
なんとも頼もしく思われたのである。
昨日のこと
おどろくほど軽い包みが届きたり島のやしろの茅の輪よすがし
私も、「はやあきつひめといふかみ もちかかのみてむ かくかかのみてば」に、釘付けになりました。E.
ほんとうに、スーパーマーケットに時節を教えてもらうことしばしばです。祈りのお言葉をありがとうございます。
みなさま
このあたりでは、茅の輪くぐりは、7月の末。機会がありましたらぜひ! Cz.