2017年 05月 14日
藤棚の下で 大西晶子
北九州で育った私だが、娘から聞くまで、一度も噂すら聞いたことが無かった。母が住んでいたケアハウスから車でほんの十分ほどの所だったのに。
少し散り初めていたが、長い虹色の花のトンネルや、藤の花房をかき分けながら歩く広い藤棚の下、ドーム型の藤ハウス?の中では花の香にむせそうだ。ともかく藤の多彩と種類の多さに驚き、美しさを堪能した。
その日、中国語を日本語よりも多く耳にしたが、皆うっとりと花を見上げたり、カメラに収めている。噂に聞くようなお行儀の悪い人もなく、ここでは皆、藤の花を静かに楽しんで居た。
「中国人の観光客は皆お行儀が悪い」は偏見だったと恥じる。
国に帰って、日本の藤が美しかったことを思い出し、日本は良い国だったと思ってもらえたら嬉しい。
七色の藤のトンネルとほり抜け藤棚の下の花迷路ゆく
風ふけば藤のはなぶさ浪になり藤棚の下は花弁のしぶき
先日の歌の通り圧倒的な美しさですね。E.