2017年 02月 07日
トゲトゲ進化論 藤野早苗
トゲトゲ亜種。
元々は、コガネムシを小さくした感じで葉っぱを食すことから、葉虫・ハムシと呼ばれる虫であった。日本には約780種のハムシがいるという。
その中から、背中にトゲを持つ種が現れた。トゲのあるハムシだから、トゲハムシ、通称トゲトゲ。これは日本に14種確認されている。
さらに、そのトゲトゲの中から、トゲのない種が登場した。これが、トゲナシトゲハムシ、通称トゲナシトゲトゲ。日本で4種確認。ここらあたりですでに心がざわついている読者も多いと思う。が、さらに…。
トゲナシトゲトゲの中から、なんとトゲのある種が現れたというのである。トゲアリトゲナシトゲハムシ、通称トゲアリトゲナシトゲトゲ。じゃあ、いったい、その虫にトゲはあるわけ、ないわけ?…と軽くキレたくなるのであるが、一方で名付けの妙につい唸ってしまったりするのである。
上記4種のイメージはこんな感じだろうか。(画像、お借りしています)
2 トゲトゲとトゲアリトゲナシトゲトゲはどう違うのか?
こんなあたりが挙げられよう。
私は生物学者ではないので、専門知識からの考察など当然できない。ただ、このトゲトゲ進化論について、常々考えていることを少し、記しておこうと思う。
進化は常に一方向へ進むと言ったのはダーウィンだったか。そうだとすると、ハムシとトゲナシトゲトゲ、トゲトゲとトゲアリトゲナシトゲトゲは外見上の類似はあっても、後発種の方が進化していることになる。どこがどう進化しているのだろうか。
以下、藤野の脳内劇場をお楽しみ下さい。
ハムシ:さあ、今日も葉っぱいっぱいたべちゃうぞー。(ムシャムシャムシャ…)あっ、鳥の襲撃‼︎ヤバイ、食べられちゃう〜〜‼︎ああああ〜〜〜〜
トゲトゲ①:ハムシ時代は大変だった。油断してるとすぐ襲われた。たまたま背中にトゲ生やしたヤツが生まれて、そいつがサバイバーだったから、我々トゲトゲになった。いやあ、トゲあって良かった。
トゲトゲ②:そうかしら。他者を傷つけてまで生き残るなんて、種の傲慢じゃないのかしら。私はトゲなんてなくても生きられる、そんな生存形態を選びたいわ。
トゲナシトゲトゲ:怖いよう。また鳥が来るよう。こんな小さな丸い身体なんて、ヤツらに食べられるために生まれたようなもんだ。DNAの螺旋の中に、昔々、背中にトゲの生えた先祖がいた記憶がある。ああ、あのトゲさえ、あのトゲさえあれば…。
トゲアリトゲナシトゲトゲ:何も知らなかったハムシ時代。食われ放題だったオレたち。せっかくトゲで武装したのに、どの時代かのやわなヒューマニスト(‼︎)がそのトゲを放棄した。馬鹿だよなあ。そして、再びオレたちは搾取された。ふざけるな。一寸の虫にも五分の魂(一寸ないけどな)。もう搾取されるのは二度と御免だ。我々は再び、トゲで鎧い、武装するのだ。
まあ、これが藤野のトゲトゲ進化論。過去の記憶のフィードバックが働いた結果、という点に後発種の進化を見い出すことができるのではないか、と思う。
けれど、あくまでこれは虫の話。人間がこんなに単純に自らの進化の方向を決めてはまずい。でも、最近、このトゲアリトゲナシトゲトゲのような御仁をお見かけする。
ええ、ええ、◯◯◯◯ファースト‼︎と連呼されるあの方。髪の毛がちょっと新種っぽいあの方。
ご先祖はハムシかもしれません。
身を守る棘でありしが人を刺す棘となれるを進化と言ふか
早苗さんの脳内劇場サイコー。そしてしみじみと考えさせられます。日本が新種っぽいあのお方に脅かされない事を祈るばかりです。E.
突然変異でトゲアリトゲナシトゲトゲにまたトゲがなくなった,ら、今度は何という名前になるのでしょう? A



