2016年 10月 01日
長城に吹く風 栗山由利
猛暑、残暑の8月、9月も終わり、今日から10月が始まる。陽射しが和らぎ過ごしやすくなると、旅心がくすぐられてくる。近年の旅先は家族に影響されて中国を選んでいる。
アジアの玄関口を謳う福岡からだと上海は札幌より近く東京とほぼ同じであり、何よりも物価が安い。何かと取りざたされることの多い国ではあるが、以前から『中国四千年の歴史』といわれる歴史的建造物や史跡には興味があったので何度か訪れた。
どこを訪れてもそのスケールの違いには驚かされる。石積みの楼門の大きさ、地下深くに作られた巨大空間とそこへとつながる陵墓の複雑さ、なにをとっても国土が広大であるということの違いにまず驚いた。それは人々の考え方にも影響するのだろう。大都市は別として、時間のながれも大河のように緩やかに流れている。

中国の観光地としてまず一番にあげられる「万里の長城」には何カ所か整備されたところがあり、ツアーで連れて行かれるのは北京郊外の「八達嶺(バーダーリン)」である。中国の人たちにも人気があり、長城は上る人、下る人で列ができている。どこでも若者は元気だ。私たちが足元を見ながら黙々と上っている横を、かかとの高い靴で笑いながらスッと追い越して行く。まだ下にいる仲間に大きく手を振り、写真を撮ってはまた駆け上っていく。頂上から駆け下りてきた若者に聞けば、道のりはまだ半分らしい。ひと息ついて立ち止まると、長城の風は心地よく吹き渡っている。

吹きあぐる風に運ばれ少女らの声はひろがる長城のうへ 由利
いい画像ですね。本当に風を感じます。悠久ってこういうことを言うのですね。S.

