人気ブログランキング | 話題のタグを見る


夕暮れになると西にしずみ、ふたたび未明には東からのぼる。われわれの呼吸のようにごくあたりまえの太陽のリズム。本州西端の瀬戸内海沿いの日の出は海から日の入りは山。


海に沈み海より昇る 百留ななみ_f0371014_16074885.jpg



旅での移動は列車あるいは車、飛行機。しかし島国の日本では北前船をはじめ物資はずっと船で運んでいた。漢字も仏教も大陸から船で入って来た。多くのものは運べるが時間がかかる船送。


海に沈み海より昇る 百留ななみ_f0371014_16073633.jpg

四国と国東半島など数時間の船旅は幾度かあるが、わたつみに沈む太陽、わたつみより昇る太陽は見たことがない。船からの水平線、そこに落ちふたたび顕われる陽を見たくてとりあえず、瀬戸内海の一泊のフェリーに乗ってみた。


海に沈み海より昇る 百留ななみ_f0371014_16073087.jpg


梅雨入り前の水無月の空はかぎりなく青い。夕方に乗船。大きなフェリーの客室はホテルの客室と大差ない。暮れなずむ6月の太陽。先にレストランで食事をとる。窓のむこうは大海原。



海に沈み海より昇る 百留ななみ_f0371014_16074243.jpg



ようやく西にかたむく太陽。デッキに出ると風が強い。



海に沈み海より昇る 百留ななみ_f0371014_16081276.jpg


レンジの帯を曳きながら水平線に近づく太陽。


海に沈み海より昇る 百留ななみ_f0371014_16081838.jpg



すっかり陽が沈むと西空に三日月があらわれた。


海に沈み海より昇る 百留ななみ_f0371014_07362784.jpg


むかしから海原での航路の標は星座。ぼちぼち輝きはじめたが風が強く暗黒の海は恐ろしく室内に。



海に沈み海より昇る 百留ななみ_f0371014_16082351.jpg

翌朝、水無月の日の出は早い。東の空が明るくなってそろそろ陽がのぼる。



海に沈み海より昇る 百留ななみ_f0371014_16083503.jpg


たまさかの必定なるやわたつみに陽がしづみまた陽がのぼること








# by minaminouozafk | 2024-06-17 07:38 | Comments(0)

 昨日の朝日新聞の朝刊、家庭欄に「オトナになった女子たちへ」という伊藤理佐さんのエッセイ、副題「カマタ越え」というのが載っていた。知り合いに二人のカマタさんが居て、ひとりは餅屋、もう一人は植木屋をされている。その二人のうちのどちらが自分と夫にとっての一番に思い浮かべるカマタさんかというような内容だった。


イケダさんとイケダさんたち  大西晶子_f0371014_10414622.jpg

それを読んでいるうちに、わが家にも姓が同じ何人かの知り合いがあることに気が付いた。その姓はイケダさんだ。先ず一昨年までお隣に住まれていたイケダさん、このご夫婦は私たちが引っ越してくる前から隣に住まれていて、夫人からは娘たちがピアノを習っていたし、わが家の猫もときどきお邪魔して昼寝をしていたそうだ。庭で作っていた野菜を差し上げたり、旅行中に郵便受けに入る宅配の雑誌を受け取って頂いたり親しくしていた。しかし歳月が経ち、夫人が数年前に亡くなり、続いて一昨年夫君も亡くなられた。そのあとに今は新しい家が建ちKさんという若いご家族が住まれている。お隣がKさんになったのに、まだ私たちは「イケダさんの家の前の道」などと言ってしまうのだ。


 またもう一人のイケダさんは、昨年から一年間お世話になっているSTさん。夫の嚥下障害のリハビリを熱心に指導して頂き、おかげで夫がある程度柔らかく水分のあるものなら、特別な食事でなくても食べられるようになった。おかげで体力も付いたし、心から感謝している。

 

 さらに私には、コスモス福岡支部の仲間のイケダさん(日常のほろ苦さを博多弁を混ぜて詠まれる男性歌人です)、以前同じ大学の宿舎に居られた、今は養鶏場をされているイケダさんや、小倉のカルチャーセンターでご一緒したエレガントなコスモスの先輩のイケダさんなどの友人もあり、皆忘れられないイケダさんたちだ。


 そういうわけで昨日はSTさんのイケダさんからの電話に、一瞬どのイケダさんだか分からずもう少しで「どちらの?」と言いそうになった。

 このように複数のイケダさんが私の頭の中には存在し、どのイケダさんが私と夫の中で最初に思い浮かぶかは状況に依るが、電話で連絡をくださるのはやはりSTさんの可能性が一番高い



イケダさんとイケダさんたち  大西晶子_f0371014_10415063.jpg

生者、死者、知り合つた場所みな違ひみな大切なイケダさんたち


# by minaminouozafk | 2024-06-16 11:14 | Comments(0)

 先週紹介した、自転車屋さんの軒先で育つツバメたちのその後です。


              ♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬


 日曜日には1羽だけ巣に残っていた子がいたので心配をしていたのだが、翌日には巣はすっからかんだった。あたりを見回すと、前日と同じように低空で飛行時間も短いが、数えると羽が飛び回っていた。無事に全員が巣立ちに向かって順調に育っているようでひと安心した。聞くところでは生まれる卵は一日にひとつずつで、全部で5~6個の卵を生むそうである。ただ孵化の時期を合わせるために、初めの数個のときはまだ抱卵はせずに、3,4日経ってから始めるとあった。それでも最後に生まれた卵の子は、多少は成長が遅れ気味になるのかもしれない。


 飛べるようになったといってもまだ練習中なのだから、疲れて巣に戻ってくることもあるだろうと、通るたびにのぞいてみるのだがいつ見ても一羽もいない。その様子を自転車屋さんにやっと聴けたのは、木曜日だった。おじさんの話では、全員が飛べるようになって以来、手作りの巣には戻ってきていないということだった。いつもならしばらくは巣に戻ってきて、数日間、近くを飛び回ったのちに巣立っていくという。昼間はそこら辺を飛んでるんだけど、今年は早いねというおじさんは少し寂し気に見えた。一度だけ、二軒先の美容室の軒先にあるこれも手作りの古い巣に戻ってきて、5羽が頭を突っ込んで休んでいたことがあったそうだ。そこまで帰って来るなら自宅に帰ればいいのにと思うのは私だけだろうか。


子ツバメその後  栗山由利_f0371014_12065733.jpg
<遊んでいる所。尾羽の先が>



 そしてちょうどその日の朝に、壊れていたもともとの巣も修復作業が完了したそうで、見上げると欠けていた部分が新しい土で元通りになっていた。ツバメの子育てはシーズンに1回か2回というので、同じ親なのかどうかは分からないとおじさんも話をしていた。


子ツバメその後  栗山由利_f0371014_12070897.jpg
<修復工事完了です>


 完全に巣立ったツバメたちは河原の葦原などをねぐらにするそうで、すぐ横を流れる那珂川には恰好のねぐらはいくつもある。水が育む命というものがここにもあった。

 さあ、もう一度、大きな口を開けて親鳥の帰りを待つ子ツバメたちを見ることができるだろうか。梅雨入りも気になるところである。


子ツバメその後  栗山由利_f0371014_12064645.jpg
<この子たちも鋭意頑張ってます>


       月光に魔法かけられ葦原の子ツバメはあした川風にのる


# by minaminouozafk | 2024-06-15 12:55 | Comments(0)

旬の野菜たち 大野英子


2月のブログでも紹介いたしました栗山家に届く無農薬のお野菜を、お裾分けしていただいています。


旬の野菜たち 大野英子_f0371014_06390375.jpg

持ち帰って、シンクに張った水の中に放つ時のワクワク感。

色んな、メニューが頭の中を駆け巡ります。

黄色い人参さんは細い線切りにして、葉は硬い芯からフリルのように柔らかい先端を取り分けて、サニーレタスやキャベツ、新タマネギと共にサラダに。

小松菜に似た青菜は厚揚げと共に煮浸し。ズッキーニは冷蔵庫にあるナス、トマト、ピ-マンと共にラタトゥイユ。

そして、今一番お気に入りは、ビーツの葉。


旬の野菜たち 大野英子_f0371014_06384707.jpg

まったく映えないメニューですが、そのままでは硬いので軽くレンジ蒸ししてから、しめじと共にバター醤油で炒めるだけ。これが美味。


旬の野菜たち 大野英子_f0371014_06374780.jpg

そして、りっぱなビーツ。皮が硬いので慎重に剝くと模様が美しい。


旬の野菜たち 大野英子_f0371014_06383125.jpg

おなじみのビーツのポタージュ。四十年選手のミキサーと雪平鍋が活躍してくれます。ミキサーを分解して洗い終えたときの充実感も料理の楽しみです。


旬の野菜たち 大野英子_f0371014_06381554.jpg

ついでに、余った茄子は縞に剝いてロースターに入れておくだけ。他の仕事をしながら、粗熱が取れたところで、残した皮をはがして出汁しょうゆに漬け込んで、出来上がり。朝の涼しいうちに下ごしらえをしておけば、夕食準備は簡単。

やはり、身体の欲する旬のものをいただくのがいちばんです。


スーパーには早々と、大好きなゴーヤーが並んでいます。今週に入って気温は上がって来ていますが、まだ手が伸びないのは暑さが足りないということなのでしょう。


旬の野菜たち 大野英子_f0371014_06380080.jpg

散歩の途中では、さまざまな紫陽花と出会います。八重の額紫陽花を見つけました。墨田の花火でしょうか。紫陽花が終る頃、本当に暑くなるのでしょう。


やがて梅雨入りです。ゴーヤーを食べたくなる夏が待たれます。


うみかぜが湿りをおびた西北にかはりじんはりくびすぢに汗


# by minaminouozafk | 2024-06-14 06:42 | Comments(0)

栗の花の季   鈴木千登世_f0371014_12160767.jpg


栗の花が満開になっている。夜になると昼間より花の香りが濃く漂ってくるような気がする。小さな動物のしっぽのように見えるこの花が散る~「栗花落」と書くと「ついり」。梅雨のはじまりのはずなのに今年はまだその気配がない。


栗の花の季   鈴木千登世_f0371014_12161254.jpg


しぽしぽと雨の続いた日はあったものの昨日も今日も雲一つない晴天。

南からの湿った空気に覆われているので外に出るとムッとする。今日も30℃を超える夏日の予想だ。


もしかしたら観測史上最も遅い梅雨入りになるのではと調べてみると九州北部(山口県はここに入る)では2019年が626日に梅雨入りとなり最も遅い記録とされていた。(ちなみにそれまでは1967年の622日)わずか5年前のことなのにすっかり忘れていて驚く。


とは言え鳥や虫や花々はしずかに季の移ろいを伝えてくれている。去年はとうとう姿を現さなかった菱が今年は堤の表面を覆い始めたし、蛍も例年より多く飛び交った。


栗の花の季   鈴木千登世_f0371014_12161916.jpg


冬の間裸木だった合歓に小さなつぼみがついていた。咲くまでにはもう少しだけれどまつ毛のような花を開いて梅雨の主役となる日も近い。合歓姫とひそかに呼んでいる水辺の合歓の満開となった姿は見事で、毎年心待ちにしている。


栗の花の季   鈴木千登世_f0371014_12162225.jpg

(もう少ししたらあでやかなお姿に)


「地球沸騰化」という言葉に不安を覚えた去年だったが今年も酷暑の夏となるのだろうか…。

     



栗の花の季   鈴木千登世_f0371014_12162688.jpg
(八坂神社)

 山口祇園祭の奉納連歌会のお知らせが届いた。魚座からは私とななみさんが参加し、分音(Faxやメールなどで句のやり取りをする)の形で由利さん晶子さん英子さんが参加する予定。714日の集っての会に合わせて分音の形で一巡目が始まった。


うっかりと過ごしているうちに真夏がやって来ていそうだ。



わたくしの思ひをよそに季は過ぎて訳知り顔に梅雨闇が来る


# by minaminouozafk | 2024-06-13 12:22 | Comments(0)