このブログで中国語を勉強しますと宣言してから、八か月たった。どのくらい上達したかと問われても、全く‥‥‥というしかないのが正直なところ。マンツーマン授業だが、仕事やら通院やらで月に三回行けたらいいほうである。でも、面白い。

 教室ではまず、何のために中国語を勉強したいと思ったのかを聞かれ、私の最終目標はツアーではなくて個人旅行をしたいからと伝えてある。おそらくいろんな目的のために勉強を始める人がいるのだろう。


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<教科書には事欠かない。うちにはかなりある>


 ここで身近に凄いライバルというか、仲間が登場したのである。四月に三歳になる孫である。以前から、息子の中国の知人から贈られた絵本を読み聞かせしているというのは聞いていたのだが、「論語の勉強を始めました()」というメッセージとともに動画が送られてきたのである。子供向けの論語をもらったのか、息子の膝の上で漢字を指差して「ロン ユウ」と声に出している。「じゃあ、いくよ!今日はここからここまで」、「うん」と言って父親の後を真似している。もちろん字はわかっていないだろうが、驚くのは発音の良さである。一説には語学の学習を始めるのは、三歳くらいからが良いそうで、耳と脳がバランスよく音を取り込むのだそうだ。話さないブランクがあっても、言葉が自然に出てくるという。畏るべし三歳児である。


 私はというと、悲しいかな60を過ぎて加速度的に脳は退化しつつある。良き仲間を得てよりいっそう頑張らなければというところだ。


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<桂林漓江の川下り>


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<市場で売られている調理された豚の鼻や耳>


   約束は自分としよう 緑風に吹かれながらの漓江下りを


# by minaminouozafk | 2019-03-23 07:16 | Comments(0)

アクロス山  大野英子


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昨日、福岡では開花宣言があり、毎日チェックしていたわが家の前の河沿いの山桜も開花していた。

先週の土曜日、県短歌大会準備のため福岡地区担当者はアクロスで打ち合わせ。その帰り、昨年から理事に加わってくれた同じコスモスの増田さんが、ステップガーデンに登ってみようと誘ってくれた。私はアクロスの住人のくせに一度も登ったことが無かったのでもちろん一緒にチャレンジ。

 画像では紹介したことがあるステップガーデンは、吹き抜けのビルの14階部分まで片面がピラミッド状に木々で覆われている。階段を上がる最初の踊り場に、こんな立札が。

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 おぉ、アクロス山!

しばらく登ると、狭い階段ですれ違う人と「こんにちはー」と自然に声を掛け合っていた。増田さんと二人、やっぱりここは山だね、と笑い合った。鳥のさえずりも近くで聴こえてくる。

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垂れ下がる花穂がめずらしい木はイヌシデ。細い枝ぶりながらも、春の生命力に漲って、青空によく似合う。

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ユキヤナギや、黄色い小花があちらこちらで彩りを添えている。少し前にななみさんの紹介があった馬酔木も真っ盛り。なんだか昨年、静岡の宇津ノ谷で購入した〈十団子〉を彷彿とさせ、なんだかありがたい。

 土日祝日のみ16時まで開放される頂上!?の展望台にも、ゆっくり登っても15分程度。なんとか間に合った。珍しい草木を見つけては、

 なんだろうね。

 なかむ―が居たら教えてくれるのにね。

 ここで吟行会出来そう!

 歌会の前にみんなでお弁当持ってきたら楽しいよね。

 などなど、たわいもない会話だけど、語り合う仲間がいるって良いな。いつも一人でうろうろしている私は小さな幸せを感じていた。

 さて、展望台は360度ぐるり福岡市内と、取り囲む山々や博多湾まで一望できる。

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博多湾側のわが家や、増田さんのご自宅がある方向の動物園の小山などを確認し、空港へ向かう旅客機を見送って、しばし風に吹かれて過ごした。

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公園側を見下ろした景。桜が満開になったら美しいだろう。階段は左右から昇り降りできるようになっていたようで、どっちから登ってきたのかもわからない方向音痴な私を、増田さんは、逆から降りようと優しく誘導して下さった。

 植物に付けられたプレートには

〇ソヨゴ(冬青)モチノキ科 名前は風に吹かれた葉がソヨソヨとそよぐ音から。材は建築用材にはならないが良質の炭として利用された。

〇サネカズラ(実葛)マツブサ科 皮を剥いでつぶし水を加えるとネバネバした液体になる。これを整髪料に利用したため別名ビナン(美男)カズラという。

など、簡潔ながらも、ちょっとしたトリビアも楽しめる。58樹種の解説文を全制覇しなければと密かに誓った。

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               市役所側から見たアクロス山~

        〈(ソヨゴ)〉とは書いてはならず朱き実が小鳥寄らしむソヨゴは(ソヨ)()


# by minaminouozafk | 2019-03-22 06:34 | Comments(4)

祝婚歌  鈴木千登世

若い友人の結婚を祝う小さな小さな宴があった。

こりこりしたお刺身や季節の料理を食べながら、たっぷりと結婚の話を聞くはずだったのにいつの間にかいつものおしゃべり会となってしまった。けれど、左手の薬指のシンプルな指輪と夫となった人を苗字で呼ぶ新鮮な響きに彼女の幸福を実感した。


二人が睦まじくいるためには

愚かでいるほうがいい

……

以前も紹介した吉野弘。その「祝婚歌」はこう始まり、そしてこう閉じられる。


健康で 風に吹かれながら

生きていることのなつかしさに

ふと 胸が熱くなる

そんな日があってもいい

そして

なぜ胸が熱くなるのか

黙っていても

二人にはわかるのであってほしい     

*『贈るうた』花神社


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若い友人の未来にまぶしさを覚えたひととき。翌日の帰り道では街路樹のこぶしがちらほら咲き始めていた。

今から咲こうとしているこぶしの、花びらの純白がことのほか心に残った。

末永くしあわせであって欲しい。


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まつさらな時を包める花苞の白のさやけさ 辛夷(ひら)けり




# by minaminouozafk | 2019-03-21 14:07 | Comments(7)

ジブリ展  有川知津子


 博物館や美術館は展示会場の薄暗がりが苦手という人にときどき出会う。そんな人のために、今日は、福岡市博物館で開催中の「ジブリの大博覧会」をご紹介したい。



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 この企画展、本会場に入場しなくても、圧迫感のないあかるいロビーでじゅうぶん楽しめるようになっている。ロビーの宙に飛行艇が浮いているのだ。



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 といって、ただぼんやり浮かんでいるわけじゃない。やたら多いプロペラやひれのようなものを、器用なんだか不器用なんだかなんとも言いがたい感じに動かしながら上昇したり下降したりする。


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            〈下降中↑。この街↓に接して止まる〉


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 ジブリファンじゃなくても飛行艇好きにはたまらないぞ~。初日の15日以来、何度このロビーに出掛けたことか。

 


 このジブリ展、たしか2015年から各地を巡回し福岡展が10箇所目くらい。そんなこんなでこの飛行艇もネット上いろいろ話題になっているから、それで(画像とか動画とかで)もうじゅうぶんだわ~とちょっと思っていた。



 だが、間近で肌にくる音と風の感触は、やっぱりそこに立たなければ分からないもののようであった。


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 ああ、それからこの福岡展、「王蟲」好きにはきっといい。ナウシカのあのオームである。「王蟲の世界」という一画は、ここ福岡展が初公開なのだそうだ。これはロビー展示ではなく本会場内の展示、念のため。



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       空よりの風をまぶたに受けてをりワガハイとみなが呼べる黒猫



# by minaminouozafk | 2019-03-20 04:38 | Comments(8)

 3月18日、アジア美術館で開催中の「THE MIRACLE OF M.C. ESCHER ミラクル エッシャー展」に行った。

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 エッシャー生誕120年、昨年6月の東京を皮切りに、全国を巡回している記念展である。世界最大級のエッシャーコレクションを誇るイスラエル博物館所蔵の152点。

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メタモルフォーゼⅡ
1939-1940年
木版
192×3875
 

 展覧会掉尾152点目を飾る大作「メタモルフォーゼⅡ」。メタモルフォーゼとは「変身」。エッシャーの画業の集大成ともいえる作品だ。連想、象徴、具現……、「METAMORPHOSE」というスペルから飛翔してゆくエッシャーの世界。

 科学と宗教と哲学と詩。その境界は実は淡く、創造はその曖昧な継ぎ目から生まれるのだ。

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「描く手」1948年
カフスより出でし「描く手」描きゐる「描く手」が描く「描く手」∞……


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「爬虫類」1943年
二次元の中の多次元 生まれては消える蜥蜴のひとつため息


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「物見の塔」1958年
不条理は条理のごとく紛れ込み役に立たない「物見の塔」よ


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「でんぐりでんぐり」1951年
蛇腹型胴に付いたる六本の脚のリアルさ「でんぐりでんぐり」


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「上昇と下降」1960年
天上へひらかれゐると信ずればきざはし無限に上る修道士(モンク)ら




 二時間のエッシャーへの旅を終えて、疲れた脳に栄養補給。向かいの「鈴懸」へ。
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あんみつ、バニラアイス添え。

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アジア美術館と博多座が向かいに見える一番好きな席で。




# by minaminouozafk | 2019-03-19 09:02 | Comments(7)


醤(ひしお) とは、塩を加えて発酵させた塩蔵品のこと。魚醤や肉醤も含む。大豆や麦を発酵させた「穀醤」が日本の醤油の原型。



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春の島巡りでこの春えらんだのは小豆島。醤油の日本4大産地のひとつだ。明治の最盛期は400軒ほどの醤油醸造所があったという。今でも20軒以上が草壁港ちかくにあり、醤の郷とよばれている。香ばしい醤油の香の道沿いに小さな醸造所がならぶ。いずれも大きな木桶で作られている。ご当主の話を聞いたり、いろいろ試食したり。醤油の種類はおもに「淡口、濃口、再仕込」の3種類。原材料は大豆・小麦・塩とシンプル。あとは古い蔵の菌におまかせ。いくつかお土産に買った。



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あるご当主さんから再仕込醤油は山口県柳井市の甘露醤油がお手本のような話をうかがって嬉しかった。原材料や製法など九州の醤油ともつながりがあるらしい。


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 毎日使う醤油。わが家では夫が大分県中津市なので甘い醤油。フジジンやフンドーキンが多い。義母はフジジンの茜という。買うときには裏のラベルを見て、なるべく添加物がないものをチェック。しかし、九州や山口の醤油は添加物がいっぱい。悩んで時々キッコーマンの丸大豆醤油を選んでしまう。



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本醸造の言葉もポイント。なのに、なのに大分や下関の醸造所のものは、名称「こいくちしょうゆ(混合)」 そして原材料名にも大豆、小麦、塩のほかにアミノ酸やアルコール、カラメル色素ともある。



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そういえば、ちょっと前の朝日新聞の山口版に明治元年創業の赤間醸造が載っていた。大きな杉樽で2年をかける天然醸造は創業当時からとある。近くだし百聞は一見に如かず。大人の工場見学と友達を誘ってさっそく訪問。直接販売の売店があり、いろいろ試食させていただく。食べ慣れたちょっと甘めの醤油。やっぱり一番絞りはおいしい。商品の裏をみるとやはりアミノ酸やらアルコール。もやもや顔を察してくださったのか・・・社長さんを呼んでくださった。



小豆島と同じように大豆や小麦を蒸して麹菌を植えつける。人肌くらいに保ち2~3日発酵させた後に塩水と一緒に大きな杉樽に仕込む。そして2年ゆっくりと杉樽のなかで発酵、熟成。ようやく出来上がったもろみを搾る。ここまではほぼ同じ。小豆島ではそのまま火入れして充填なのだが・・・。九州・山口の甘い醤油はもろみを搾ったあとの火入れの時に味付けがされるのだ。それぞれの醸造所でアミノ酸などで甘味いや旨味を出すようだ。



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だから九州の醤油は甘い。うまくち醤油。

甘くなったのは新鮮な魚介料理に合うように。焼酎に合うように。

南蛮貿易で砂糖が入手しやすかった。とか諸説あるようだ。

だから昔ながらの木桶で2年間かけて作っても本醸造と表記できない。

でもやっぱり九州の醤油はおいしい。


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スーパーの醤油コーナーをじっくりながめると「うまくち醤油」がけっこう多い。裏側を見るとアミノ酸がプラス。なんだが面白い。赤間醸造で買った一番搾りのこいくちしょうゆの裏側の一番下の言い訳がまた愉しい。




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スーパーの醤油売り場のにぎにぎし九州地物のうまくち・あまくち








# by minaminouozafk | 2019-03-18 07:30 | Comments(7)

再会 大西晶子

このところ天候が変わりやすい。それでも晴れた温かい日には、どこかに行きたくなる。そういえばそろそろ宮地嶽神社の寒緋桜が咲く頃だ。昨年撮った写真を見ていたら、丁度昨年の同じ日に少し盛りを過ぎ掛けた寒緋桜と満開に近いオガタマの花が映っている。今年もオガタマの花を見たいし寒緋桜も、と花を期待して出かけた。

 

ところが、神社の楼門をくぐっても色彩が目に入らない。大きな寒緋桜の木は枝がくろぐろとしているだけ。地面には花の蕊のようなものが散らばっている。今年は暖冬だったのか花の時期が早かったらしい。がっかりしながら本殿脇のオガタマの木の下に行くと、こちらも散った花弁が見えるが、枝には花がほとんど無いようだ。樹が高いのではっきりとは見えないのだけど。


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もう一本の本殿裏のオガタマを見に行くと、嬉しいことにまだ枝に花が沢山ついている。白い目立たない花だが芯に臙脂色を秘めたその姿は上品でうつくしい。きっとこの花は待っていてくれたのだ。

オガタマの花は木のある場所で花の時期がずいぶん違う。宗像大社のオガタマは3月の第1週に見に行ったら、もう花弁が散って枝には花が無かったし、宮地嶽の本殿脇のものもその日314日にはおおよそ散っていた。なのに日当りの良くない裏手のオガタマは沢山咲いている。


少し風が冷たかったが、そのまま神社のひろい庭園を歩いていたら、稲荷神社の鳥居のあたりに淡い桃色の花をつけた木をみつけた。桜のような花の形だが、幹はちょっと違うような気がする。梅には遅すぎるし、桃とも違うようだし、桜のような気はするが、、、、、、。判らないままだけど、オガタマの花と、桜に似たこの花に、いよいよ春本番だと元気づけられた気がする。宮地嶽神社の神社のおおよそ百段の石段をまだ一気に上れたことも嬉しかった。


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         をガタマの樹々に都合のあるならん時をたがえてそれぞれに咲く



# by minaminouozafk | 2019-03-17 07:00 | Comments(6)