2018年 01月 15日 ( 1 )

已己巳己  百留ななみ

忌宮神社も新年のよそおい。注連縄もあたらしくなり絵馬も掛け替えられた。

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伊勢神宮の五十鈴の箱に平成戊戌とある。つちのえは十干の5番目。十干と十二支を組み合わせると60種類となる。だから戊戌の年は60年に一度しか巡ってこない。平成では一回だけの戊戌なのだ。60年で暦が一回りだから60歳が還暦。壬申の乱や戊辰戦争など思い出されるが、戊戌(ぼじゅつ)は思い当たらない。調べてみると高野長英の著書に『戊戌夢物語』というのがあるらしい。


十干と十二支は木火土金水の五行に分類され、戊も戌も土。戊と戌、漢字も非常に似ている。部首はどちらも、戈(ほこづくり)。戈(ほこづくり)は、ほこ・武器、武器を用いることに関する漢字となる。


十干のは矛の古字で、象形文字。おののような刃がついた戈。まさかり。借りて、十干のつちのえの意味にあてるとあるのだが・・・。象形文字は絵に表したものなので「ほこ」はわかる。

十二支のは「戊」に「一」をプラスした形声文字。一の文字に戊で断つの意味をあらわし、転じて十二支の第十一位に用いる。形声文字は発音を表す漢字と意味を表す漢字が組み合わさったもの。読み方のジュツは・・・

もうひとつ似た漢字にがある。人+戈の会意文字。のジュと読み武器を持って守るという意味。会意文字は二つ以上の漢字を意味の上から組み合わせたもの。これは人が戈を持つから守るとなるのは納得。

平成のも戈づくり。戊+丁の形声文字。丁は、くぎづけする・平定するの意味。まさかりで敵を平定することから、ある事がらがなるの意味。



先週はこの冬いちばんの寒波。のんびりと炬燵にこもって漢語林をめくってみた。久しぶりの紙の辞書はたのしい。活字でも間違えそうなのだから、筆書きでの識別はたいへんそうだ。



本棚をながめていると古い漢和辞典の字源を発見。簡野道明著の大正時代のもの。祖父が買って母も使っていたようだ。うしろの付録の部分に『草字彙・隷法彙纂』がある。


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興味深い。一字一字にそれぞれの書体が載っている。一字ずつでも解読が難しいのに文章になるとお手上げ。活字に今も簡単に変換されていく。ワードの書体には草書、隷書ともにない。やっぱり昔の人はすごい。祖父も使っていたのかもしれない。しばらく古い辞書との時間。


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そういえば辰年生まれだが十干は知らない。こんな時はネット検索。昭和39年は甲辰(きのえたつ)せっかくだから覚えておこう。その他はと探すのだがスマホの画面は長時間は不向き。漢和辞典にもないので高校生のころから使っていた旺文社の古語辞典をひろげる。付録のところに十干、十二支の組み合わせ表がありました。一番の甲子(きのえね)から六十番の癸亥(みづのとゐ)までながめていると戊戌以外にも似た漢字を発見。己巳(つちのとみ)と甲申(きのえさる)おもしろい。



そのあと何気なく己巳のネット検索をしていて出会った四字熟語。

【 已己巳己 】

微妙に異なる4つの漢字。2番目と4番目は同じ。

【イコミキ】 と読んで、お互いに似ているもののたとえ。ちゃんと三省堂の新明解 四字熟語辞典にも載っているらしい。用例として「あの母子はまさに已己巳己、顔ばかりか声まで似ている。」

雪のちらつく寒い午後がゆたかになった気分だ。



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   字源の付録の動物図から。アバウトなリアルさがかわいい。



已己巳己の里芋六つ手羽先とこつてりと炊き小正月待つ





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by minaminouozafk | 2018-01-15 05:00 | Comments(8)