2018年 01月 11日 ( 1 )

ブログ記念日16

2018年最初のブログ記念日です。南の魚座は2度目の新年を迎えることができました。
お正月が巡ってくる度に過ぎ去った時間を過去として、また新たに仕切り直せる幸せを感じます。

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写真は常盤公園にある現代彫刻の作品で、タイトルは「風になるとき」(西野康造作)。
昨年紹介した宇部ビエンナーレの過去の受賞作品です。
強い風だけでなく、わずかな風の流れも捉えて柔らかく羽ばたく翼は人工物なのにまるで生きもののようにしなやかで美しく、ずっと見つめていたくなります。
日常のささやかな出来事や思いを、言葉という翼に載せて飛翔させることができたらと青い空に舞う翼を見つめながら思いました。

読んでくださる方がいて、一緒にブログを作るメンバーいて、そのことに感謝しながら励みとしています。2018年最初のそれぞれの作品をお読みいただければと思います。

蕨手文(わらびてもん)   鈴木千登世
旅立ちは吉とふ神籤たたみつつ斎庭しづけき神の森ゆく
文字持たぬ者の描きし蕨手文(わらびてもん)渦の野原を馬は越え行く
瞠きて北斎漫画見つめゐる画家を思へりドガの〈踊り子〉
閃きが作品生みし傍らに立てばかそけき水流の音
元旦に海鼠を食めばしくしくとふるさと匂ふ 遠き潮の音

遠く呼ぶ風   大野英子
沸き上がる薬缶、流れるモルダウが今夜のわれを責め立ててゐる
けふもひとりあしたもひとりへんぺいなオリオン武骨にかたぶいてをり
身震ひをしながら生れし小さき花さびしき庭にめでる水仙
繭をつくる蚕のやうな月の下われは籠らん歌なる繭に
土笛を吹けば枯れ野を渡りくる風あり私を遠く呼ぶ風

清しき風   栗山由利
全身でクリスマスを待つをさな子は緑のコートに赤いマフラー
横跳びに二歩ちかづゐて同じ方(かた)見やる雀に年の瀬の風
段取りをととのへ締めるエプロンの紐いつもより少しつよめに
ゆく年に忘れたものをたしかめる間もなく聞こゆ除夜の鐘の音
新年に清しき風を運び来るをみな子二人外つ国に来て

早く眠らな   大西晶子
みづからの眼うたがへ現実の姿をしたるフェイクをさがし
先入観もたずに見れば愛らしき色さまざまのオブジェの蛇ら 
目ざむれば明日は新年待つものを思うは楽し早く眠らな 
ふるさとの古き町並み友のごと迎へくれたり角まがるたび 
木より生れ数百年経しこまいぬは過去をかたらず阿形の口で

あと追ひ   百留ななみ
くらげゐる水面の上の青空にくつきり白き半月のあり
クリスマスイブにはケーキ食べたって息子の息子の息子のことば
蕭々とながるる時間に金いろの鶴の水引きむすび新年
シンギュラリティ倍々ゲームでせまりくる息子の息子の後追ひはいはい
西ながれ東ながれと忙しなき海峡の水ずつと透明

高麗茶碗   藤野早苗
一口(いつこう)が一城の価値ありしとぞ戦国の世の高麗茶碗
フランツとエリザベートのすれ違ふこころの声をそらみみに聞く
マジ卍(まんじ)ムカ着火ファイアーのうちの猫(ぬこ)ぽ尻尾ぶぉんぶぉん丸てカハゆす
新春のMoet et Chandon もう一杯分を残してクーラーの中
高取の碗にふんはり初春の野辺の若菜の萌ゆるを喫す

雑煮をはこぶ   有川知津子
牧水の詠みし納戸におよぶ日の冬のひかりの秀先に手触る
背嚢をバックパックとやはらげて芋の蔓など食ひしを話す
われらみな球乗り中の道化者ときをりゼブラゾーンを駈けて
水仙の苞はつかなる音立ててひと日ひと日の今をふくらむ
新年は井戸のほとりの神さまへ雑煮をはこぶ小鳥とともに



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by minaminouozafk | 2018-01-11 06:00 | ブログ記念日 | Comments(7)