「現代文」収載短歌Ⅴ  有川知津子

このシリーズも最後となる。


現代文の教科書(第一学習社)の「短歌と俳句」の単元の終章は、「飲む・食う」。


一つ前のⅣで、動詞になったとたん女性歌人の名が見えないなどと書いたけれど、

それはどうやら動詞の種類によりけりのようだ。


だって、ほら。



君と食む三百円のあなごずしそのおいしさを恋とこそ知れ

                         俵万智

一碗(いちわん)に幾つぶの飯があるのだらうつぶりつぶりと噛みながら泣く

                         河野裕子

カワセミが冷たき水をくぐるさま思ひつつ食ふ夏夜の豆腐

                         高野公彦

うすみどり

飲めば身体が水のごと透きとおほるてふ

薬はなきか                  石川啄木



飲む食うは何といっても生命活動の基本。性別なんてね。


ところで、

高野さんの「カワセミ」は、かの伊予の国時代の康彦少年の記憶だろうか。

少年の高野さんと壮年の高野さんが同居していて好きな歌である。


これで、この単元はおしまい。


めでたしめでたし。



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  背嚢をバックパックとやはらげて芋の蔓など食ひしを話す



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Commented by minaminouozafk at 2018-01-10 19:41
食べ物の歌でゆかりさんの歌が無いのが残念!
ちづりんの作品も食べ物シリーズに加えたいほど、良いですね。〈背嚢〉が切ない。
また、新シリーズ、楽しみにしています。週末は東京ですね。いってらっしゃい~♪E.
Commented by minaminouozafk at 2018-01-10 20:12
裕子さんの歌、食べることがこんなにかなしいなんて…と思ったことを思い出しました。シリーズ最終回、ありがとうございました。S.
Commented by minaminouozafk at 2018-01-10 21:56
啄木のこのみずみずしさは何なのでしょう。薬をたべものに入れて良いのかな?って気はしますが、明治時代の人がこんな歌を詠んでいたとは。やっぱり早すぎた天才ですね。週末のCOCOONNの批評会、楽しんで来て下さい。 A
Commented by minaminouozafk at 2018-01-11 06:46
楽しいシリーズ最終回ですね。食べ物は生活そのものです。透明人間なんだか懐かしい感じ。久しぶりの教科書、ありがとうございました。 N.
Commented by minaminouozafk at 2018-01-11 09:01
カワセミを思いながら食べるお豆腐、透き通った冷たさなのでしょうね。新シリーズも待ってます。批評会、お気をつけていってらっしゃーい!Y.
Commented by minaminouozafk at 2018-01-11 19:12
食べ物の歌、いろいろ思い浮かびました。テーマ別の短歌シリーズとても楽しかったです。啄木の透明になるという感覚、はっとしました。批評会、お気をつけて~。Cs
Commented by minaminouozafk at 2018-01-11 22:47
は~い。Cz.
by minaminouozafk | 2018-01-10 06:16 | Comments(7)