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「現代文」収載短歌Ⅳ  有川知津子

12月ももう13日。


このところ、大事な約束を忘れているような気がして、

左右をよく確認しながら横断歩道をわたる日々が続いている。


そんな中にあっても、ブログの担当曜日は忘れない(みたい)。


今日は、現代文の教科書(第一学習社)から「走る・歩く」の章をご紹介したい。



ころがりしカンカン帽を追うごとくふるさとの道駈けて帰らん

                          寺山修司

暗道のわれの歩みにまつはれる蛍ありわれはいかなる河か

                          前登志夫

ずぶ濡れのラガー奔(はし)るを見おろせり未来にむけるものみな走る

                          塚本邦雄

そこだけが黄昏れていて一本の指が歩いてゆくではないか

                          山崎方代



なんと、「動詞」になったとたん女性歌人が見えない。


――ところで、

なぜか方代さんのことは、「方代さん」と呼んでしまう。

修司さん、登志夫さん、邦雄さんとはなかなか呼ばないものである。



われらみな球乗り中の道化者ときをりゼブラゾーンを駈けて



おととい、里から柊便りがとどいた。


「現代文」収載短歌Ⅳ  有川知津子_f0371014_21441935.jpg


今年もありがとう。



Commented by minaminouozafk at 2017-12-13 22:23
待ってました!
方代さんの手や指へ集約される歌には注目していました。
塚本邦雄の歌も含め今回は幸綱さん(あれ、さん呼び!)の好みが色濃い感じ。で、女性が弾かれた?
(左右を確認しない、ざるE子)
Commented by minaminouozafk at 2017-12-13 22:53
なるほど、女子は動詞が苦手。わかるかも。球乗りでゼブラゾーン、生きるって、すごいチャレンジ。私は、確認する前に飛び出す大ザルざっくり人間です。
Commented by minaminouozafk at 2017-12-14 08:12
「転がりしカンカン帽を追うごとく…」よく分かります。故郷に帰って会社の様子を報告する私を見て、妹が「あなたは会社にスキップしながら行ってるのか?」と言ったことを思い出しました。歩く速さって気持ちが出るのですね。Y.
Commented by minaminouozafk at 2017-12-14 08:48
動詞は女子は苦手なんですね。同じ一人の人間ですから歩く速さにも様々な動きに気持ちは繋がっているのですね。私はぼぉーっと歩いてます。N.
Commented by minaminouozafk at 2017-12-14 09:29
〈未来にむけるものみなはしる〉、このところ、のっしのっしと買い物の袋を下げて毎日歩いていた私はどこを向いていたのでしょう。方代さん、なぜか懐かしいひびきですね。A 
Commented by minaminouozafk at 2017-12-16 11:01
どの歌も情景が立ち上がってきますね。歌いいなぁ。修司の郷愁、登志夫の「いかなる河か」のフレーズ、邦夫の前へ、未来へ走る青年の姿、方代(さん)の指への集中。いいなぁ。ご紹介ありがとうございました。出張からやっと帰宅しました。コメント遅くなってごめんなさい。Cs
by minaminouozafk | 2017-12-13 06:14 | Comments(6)