2017年 08月 09日
長崎原爆忌 有川知津子
今日は、長崎市で72回目の原爆の日を迎えます。
忘れない。
それが、長崎に生まれた私にできるほとんど唯一のことです。
ときおり思い返す歌があります。
原爆で左柱(さちゆう)を欠きし鳥居あり右柱(うちゆう)にて立つ五十六年
高野公彦『渾円球』(2003年10月)
2001年、高野さんが長崎にお出でになったときの作品です。
うたわれた鳥居は、山王神社の二の鳥居。
たしか、現長崎支部長の久保美洋子さんのご案内だったのではないでしょうか。
昨年のものですが、手元に写真がありました。
1945年8月9日午前11時02分の爆風に耐えてながらえた半身の鳥居です。
その姿から、一本柱鳥居とも片足鳥居とも呼ばれています。
衝撃で笠石がよじれてしまっているのが分かります。
まだ遅くはないと思うのです。
多くの人が忘れなければ、二度と起こらないようになってゆくだろうと思うのです。
犠牲となられた皆様のご冥福をこころよりお祈り申し上げます。
やくそくの鍵のごとくにたたずめり山王神社の二の鳥居はも
11時02分、黙とうしました。子供のころからそうしているように。
この日の、被爆者であった母の遠いものを見つめるようなまなざしを、きっと一生忘れません。E.
書いてくださって、教えてくださって本当にありがとう。Cs