2017年 07月 02日
万願寺とうがらし 大西晶子
九条ネギ、金時人参などの京野菜は、地方に住む私などには、京と上に付くだけで柔らかく、香りが高く美味しいもののように思えて、憧れてしまう。
万願寺とうがらしもその一つだ。
京野菜ではあるのだけど、実際は京都府舞鶴市周辺で昔から作っていたものだという。
このところ毎年、その旬の時期になると舞鶴市に住む義兄から贈られる。
唐辛子と名につくが、味はピーマンに近くほんのり甘みがある、たまに少し辛いときもある。
細長く(京都府のホームページに拠れば13センチ)、柔らかく、煮ても焼いても炒めても美味しい。
入っている段ボール箱には〈万願寺あまとう〉とある、生産地の舞鶴ではそのほかにも、〈万願寺〉の呼び名もあるそうだ。
万願寺とうがらしの苗は福岡県の園芸店でも売られている。そこでわが家の庭でも夫が植えてみたら収穫できた。義兄に送ってもらった万願寺よりも短く、皮もすこし厚い、でも味は同じだ。
みかけが無骨なのは、京都の土と九州の土の違いが外見に表れているのかもしれない。京生まれの少女が九州で育って健康的な日焼け美人になる、とまぁそんな感じだろうか。
義兄も万願寺とうがらしを庭で作っているとのこと、折があったら義兄と家人のそれぞれの万願寺を並べてみたい。
みやこから来たるまれびと柳腰ひすいの色の万願寺あまたう 晶子
夏になったら緑の濃い野菜を食べたくなるのはなぜでしょう。トマト、茄子、キュウリも寒い時はちっとも食べたくないのに、不思議。E.
京野菜、認定制なのですか~。野菜の世界もいろいろあるのですね。Cz.