2017年 02月 16日
山口市短歌大会 鈴木千登世
2月11日(土・祝)に山口県婦人教育文化会館で第31回山口市短歌大会が開催されました。寒波の襲来で大雪となることが心配されましたが、当日は寒さは厳しいものの会場周辺にほとんど雪はありませんでした。けれども周辺の地域や他の市町村は雪の影響で交通事情が悪く、選者でコスモス山口の支部長の山本さんは50センチの積雪を中を駅まで歩いて会場に来られました。そのため例年より少ない人数でしたが、参加された皆さんとじっくりと短歌に向き合いました。
大会は3人の選者が分担してそれぞれの歌について批評を行い、参加者からの感想や質問のやりとりを行いながら進行しました。選者として参加したのですが、他の方の批評を聞くのは、やはり目が開かれます。厳しくも暖かい批評や、言葉を確かめながら丁寧に読み込む参加者の意見、生活に根ざした歌の数々に発見の多いひとときを過ごしました。
選者選 最優秀作
台風の予報を聞くやとり急ぎトマトハウスのバンド締めゆく 天野ヒデ子
互選 最優秀作
子の車点になるまで見送りて家に戻ればひとりの静寂(しじま) 富士田信子
(優秀賞、佳作の中から)
皺の手に稲穂の重み確かむる夫なりわずかに緩むその頬 岡山 孝子
電話口に頷くような間のありて春には父だと息子の電話 岡田 美子
毎年この会に花を持参される方がいらっしゃいます。葛など自然の素材で花生けを作りそれに花を飾られます。毎回楽しみにしていますが、今年は梅や菜の花が青竹の器に挿され、春の息吹が会場に明るさを添えていました。
今年は11月に県の短歌大会を山口市で開催します。(去年の大会についてはななみさんが紹介されています!!)多くの方のご参加をお待ちしています。
鑑賞の届かぬところ言ひくるる評ありて歌また生動す 千登世
雪の日の短歌大会なのに熱心な参加者も来られ、きっと充実した良い会だったのでしょうね。
トマトハウスや稲穂の重みの歌など、地域性のようなものが垣間見え、たのしく読ませて頂きました。A