2016年 12月 16日
ぎんなん 大野英子
宗像短歌会という、実家の地域の方達との勉強会を毎月行っています。
お花や野菜作りをされる方、ご近所が農家の方も多く、色んな差し入れを頂きます。
今月は、人参、サツマイモ、イチゴの苗、ぎんなんを頂きました。
ひとり者には、なんともありがたいことです。
毎年、ぎんなんを下さる方は85歳、好評につき?今年は先月に続き二度目!!
ご近所に大きな木があるらしく、なんと、川で洗い日光で干してメンバー12名に行き渡る数を持参してくださるのです!!
少し背中が曲がった、しわしわの手と小さな体での作業を思うと、自然のいのちをいただくと言うことはその手間もいただく事なのだとしみじみと感謝いたします。
メンバーには、干支がもう一回り上の97歳のおばあちゃまもいます。
だんだん歩くのがご不自由になり、今月はお休みでしたが、いつもしっかり発言もされ、歌もユーモアたっぷり、お休みする前には丁寧なお手紙を下さり、温かい気持ちにさせてくれます。
短歌が、皆さんお元気で長生きしてくださる励みになればいいなぁとおもっています。
さて、ぎんなんの歌と言えば思い出すのが高野公彦氏のこの一連。
『流木』より
腐肉よりほろほろ出でしこの堅果ぎんなんと呼び内に翡翠あり
ぎんなんは白果ともいふその白き肌現はれて秋冷の候
なぜこんなきれいなひすい色になる ぎんなんに問ふぎんなんのこと
人生の一部の細部 ぎんなんを炒りて割りては渋皮をむく
一億年生きて来たれるぎんなんを食みつつ熱き酒を楽しむ
小さなぎんなんをていねいに労り、会話を交わしながら飲んでいるのでしょうね。
私も、剥いてゆく作業が好きで、定番の鶏もも肉と蒟蒻のくわやきに翡翠色を加えてみました。
この季節、黄葉で目を楽しませてくれて、味覚も楽しませてくれる銀杏。
だけど、コンクリートの上に落ちて、踏まれて、くさ~い。と言われるぎんなんも居る。
せめて、私が出会えた白果は、ひとつぶ残さず大切にいただきます。
おほかたは葉を散りをへしせんだんのかくくわあまたが風に揉まるる 英子
高野さんの銀杏の歌も良いですね。 A