2016年 12月 11日
ブログ記念日③
先日、虹の松原に行きました。
久しぶりに晴れた海岸でおもいっきり深呼吸して、とてもいい気分でした。
砂浜にはいろいろな物が打ち上げられていますが、目立ったのが白いちいさな貝がら。
浪がつけた線上にきれいに並んでいます。
日々のちいさな事を一つづつなし遂げて行けば、いつか全体の形が見えてくる。
見ながらそんなことを思いました。
このブログを4カ月続けることができました。6人の仲間が7人になり、これからが楽しみです。
毎日の記事は短くても、続けて行くことで得る物があると信じています。
先延ばし 大西晶子
うらおもて見せつつ散るにまだ早き南京櫨の葉のいろ多彩
東洋人泊り客おほきラスヴェガスの朝食に寿司、シューマイならぶ
「 先延ばししてはならぬ」と言はるるやう皇帝ダリア高みの花に
潮ひきし浜にのこれり思い出をならべたやうな白き貝殻
ねむる子をおこさぬやうに包み置く今夜わたしは髭なきサンタ
朽葉色 百留ななみ
駆けぬけてオオバンふはり舞ひ上がる着水までのほんの数秒
バスを待つ愉しみて待つスーパームーン前夜の月に照らされながら
菜の花のイヌノフグリの夢みるや土塀に眠る朽葉のさなぎ
赤くちば黄くちば色のもこもこの秋山セーター探しに行かう
くまモンの電車が見える黄葉の遊水公園そばのマンション
C'ere una volta. 藤野早苗
あらたまの年のおほぞら渡りゆく日の宮の船月読の舟
故郷はカバンに詰めて提げゆかな縹の空をゆく飛行船
金泥にその首掲げ花菖蒲咲くも咲かぬも丁々発止
大運河跨ぐリアルト橋渡る足裏に韻くC'ere una volta.
黄昏を西に向かへる機関車の蒸気の角度ゆるやかにして
天の赤道 有川知津子
さんさんと金平糖を蒔きし夜の不思議いづこへ庭のあしあと
おはいんなさいおはいんなさいとこゑはふる天の赤道仰ぐひたひに
かぐはしき二月の杜へいざなふは誰であつたか祖母の顔して
思ひではいよよまばゆしある夜の祖母は荷担すをさなきわれに
セザンヌの林檎二つに切りわけてちひさな姪のつくるコラージュ
落葉とともに 大野英子
「柏崎さん」と言ふときつよき<か>の音は小島ゆかりの人思ふこころ
日を浴びるトマト、ゴーヤはもう食べず土の温もりある蕪を恋ふ
おもひでの種を拾つてゆくやうな冬、お湯割に落とすひとつぶ
金星と三日月のほかなにもなきゆふぞらやがて夜空となりぬ
心中をするなら星のなき月夜落葉とともに朽ちてゆきたし
れんがの舗道
川べりに流るるときの線上をナウマンゾウとわれと生きつぐ
ホームズの気分になれた虫メガネ五十年経てポケットにあり
床の間の鎧飾りのゐずまひが父に似てゐるしばしむきあふ
合掌をするかにたたむ凍蝶の翅の影濃きれんがの舗道
百、二百いや千匹のこほろぎの骸あるかも草むらの中
ななみさん、お待ちしていま~す。E.