2016年 11月 20日
紅葉 大西晶子
少し空気が冷たい日も、帰ってくるころには汗をかいていたりする。
いつの間にか、街路樹の南京櫨や欅が紅葉している。楓はまだあと少しというところ。
このあたりには空き家が数軒ある。今から40年以上前に丘陵を開き、住宅地として開発を始めた地区なので、早くから住み始めた人達はすでに高齢になり, 代替わりしたのだろう。
そんな空家の崩れた築地にツワブキが咲いている。伸びた草のなかで黄色が鮮やかだ。
もしかしたら交番襲撃を目論んでいるなんて疑われてはいないだろうか。
悪いことをしているわけでもないのに、気になるのは小心者の所以、あるいはミステリードラマの見過ぎ?
警官に不審尋問されないうちに、カメラをしまい家にもどることにする。
歩いて3分、もどって来た玄関の前では鉢植えの朝顔が、午後3時なのにまだ花をつけている。
よく十一月半ばまで咲き続けると感心するけど、花の直径は7センチほどと小さい。
種をつけることもできないだろう。
健気だけど、なにしろ時期が遅すぎる、周回遅れのランナーみたいでかなしい。
思った以上に紅葉がすすんだ町は錆び朱、砥粉色、深緑と木々の葉が多彩で美しい。
散るまでのみじかい間だけど、もうしばらくこの紅葉した木々ををたのしみながら買い物がてらのウォーキングを続けたい。
うらおもて見せつつ散るにまだ早き南京櫨の葉のいろ多彩 大西晶子
博多ではかすかに黄色味を帯びただけのいちょう並木が、
〈両側に金のついたて立つごとき道をゆく人みな寛歩せり〉桑原正紀『花西行』
状態でした。E.
小さい時から、秋を歌った薩摩忠 作詞の「まっかな秋」が大好きでした。短い秋を楽しみましょう。 Y.