2016年 09月 14日
そこにある虹 有川知津子
ベランダに出てみる。なんて光なんだろう。
夕陽の氾濫。雨雲の薄いところを破ってこちら側に流れ込んでいるのだ。
ほうっと溜息がもれる。――しばらくしてからだ、写真を撮ることを思いついたのは。
眼を閉じて開くたびに翳りが深くなってゆく。もう少し見ていたい、と思わせるほどの果敢なさだ。
けれど、あまり時間がない。室内にもどろうとして振り返るとしぜんと反対側の空が見え、
思いがけないものが目に入ってきた。
虹だった。夕陽ばかり見て背後の虹にちっとも気づかないでいたのだ。
アインシュタインは「私が見ていなくても、月はそこにある」と言った。虹もそこにあった。
あと少し振り返るタイミングが遅かったら、そこにある虹に気づかないままだったかもしれない。
そう思うと奇蹟的な邂逅のように思えて無闇にうれしくなる。
けれどもまた、
気づかないままに遣り過ごしてしまう虹が、この先どれほどあるのだろうかとも思ったのだった。
屈折のうつくしさかな玉かぎるゆふぞらに立つ虹のいしぶみ
夕虹。9月4日(日)の撮影。ほとんど消えかかっています。
二重虹ですが分かりにくいですね。どうか心眼で。
土曜日(9月10日)の由利さんが、朝の虹をあげています。
虹の内側と外側の空気の感じの違いがよく分かる写真です。
最近は仕事が終って帰る頃には夜になっていてさびしく思っていました。いつも美しい写真をありがとー。E.
Somewhere over the rainbow……虹の向こうには何か良いことがありそうな。
「オズの魔法使い」は古かったですね(*/□\*) Y.
運命的な出会いが待っているのかも。 A