タオルの熊 大西晶子

暮れに孫が生まれ、知り合いから出産祝いを頂いたりしたので、内祝いの品を見に行った。あまり時間が取れなかったので、小倉への通院の日に娘と孫を病院まで送り、診察や検査の間にデパートに行く。

 内祝いによく使われるような商品を見て回っていたが、足を止めたのがタオル売り場。熊の人形がバスタオルを布団に寝ている贈り物用の商品がとても可愛かった。タオルもふわふわで、心地よさそう。よく見ると熊はタオルを畳んで作ってある。予算ともぴったり合っているのでそれを購入し、友人に送ってもらった。

 少し店員さんと話をすると、熊のタオルはできたものを売っているのではなく、店員さんが手で折って箱にセットして下さるとのこと。
 本当はもう少し粘って、折り方も教えてもらいたかったが、時間がなかった。

 娘にその話をすると、「ネットで見たら」とアドヴァイスしてくれた。早速見てみると確かにあるある。フェイスタオルかハンドタオルと輪ゴム、リボン、あれば眼・鼻用にシールがあればそんなに難しくない。そこでハンドタオルで作ってみたのが下の写真。

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次は象に挑戦。これは2009年に行ったドバイのホテルで、ベッドの上にチョコレートとタオルの象が置いてあり嬉しかったので、折り方を知りたかったのだ。

 ユーチューブ(英語版)を見ながら折ってみたが、うまくいかない。バスタオルとフェイスタオルを使うのだが、フェイスタオルの縦横のバランスが日本のタオルと違うので、できたのは鼻と耳が異常に長い象。動画で使っているタオルは縦・横の比がより正方形に近いのだった。これも文化のちがいなのだろう。


 一枚のタオルを折って作る可愛い動物たち。
 ゼロ歳の孫たちの為にも、暮しを楽しむ小さな技がさまざまにある、今のような時代がいつまでも長く続くことを願う。ちいさな贅沢に目くじらを立てるような時代が二度と来ないことを祈りながら。

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ドバイのホテルのタオルの象


くるくるとタオルを巻きて折りねぢり輪ゴムでくくり熊の子にする
晶子 
                    






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# by minaminouozafk | 2018-01-21 07:00 | Comments(0)

 今年の年賀はがき・切手の当選番号が決まりました。今週の月曜日から郵便局の窓口で賞品の引換が始まっています。例年通り一等、二等の当選番号はひとつ、三等はふたつです。


 私もさっそく近くの郵便局で、三等当選賞品の切手シートをもらってきました。一等、二等も可能性はありですが、何といっても身近なのは三等。今年は4枚当たっていました。去年の倍です。勿論、一等、二等はありませんでした(笑)。



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昨年からデザインがポップなタッチの絵本のような図柄になっています。

今年の切手シートの図柄の中に三つのちょっと気の利いた遊びを見つけました。

交換期間は7月17日までですので、お忘れにならないようご注意下さい。実際に手に取って、その遊びを探してみて下さいね。今回はお知らせでした。


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   お年玉切手シートに登場のお声かからず猫のモヤモヤ


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# by minaminouozafk | 2018-01-20 09:35 | Comments(6)

大切に食べた一昨年のぽたぽた梅が終り、年末に食べ頃を迎えていた昨年漬けた瓶を開けた。

天日干しの時間が短めで出来が心配だったが、固めと柔らかめの梅に分けた二瓶、どちらも上々の出来で一安心。

お皿の上の梅、何だか

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猫ちゃんの口元に似ている。

さて、庭の老木、今年は無事に実を付けてくれるだろうか。

木登りごごろをそそる枝振り。
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事実、両親が元気で見守ってくれていた頃は、太い枝を足場にしてすいすいと上の方まで捥いでいた。
今は苔もくっきり、樹皮も相当めくれて足どころか手をかけても折れそうな哀愁。
手が届くところだけそっと捥いでいる。

この中古住宅に両親が越して来たときにはすでに在ったと思われるので、50年は超すだろう。

検索すると、梅の寿命は100年ぐらいだが経済的寿命は25年ほどとの事。
ふむふむ、25年を過ぎると、メンテナンスにお金がかかるよ、と言うことだろう。

女性のお肌の曲がり角と同じではないか。
二十歳過ぎから急激に衰える肌のメンテナンス、確かにお金がかかります。それに比べてわが家の梅の木は年に一度の剪定以外は、太陽と雨の恵だけでこれまで実を付けてくれている。感謝。

あと何年くらい実を付けてくれるかわからないが、見守りながら、最有効利用することを、心に誓うのであった。

      素はだかの古木はちから溜めるらん冬のくさぐさ嘉するなかを


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# by minaminouozafk | 2018-01-19 07:26 | Comments(7)

雪景色  鈴木千登世

今年の最強寒波が訪れ、平地でも雪の積もった先週。

私の住む山の近くも一面の雪景色。


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常緑樹の多いこのあたりでは雪は葉の上に積もるので、雪が降ると山全体が白く覆われる。



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雪の鳳翻山(ほうべんざん)




けれど落葉樹の山では、降る雪は木の上には積もらず山の地肌を白く覆うばかり。落葉した木々がほそほそと並んでいる山を遠くから眺めると、うぶ毛の生えているようにけぶって見える。


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去年訪れた長野県で。遠くに北(?)アルプスが見える


落葉樹ばかりの山はこのあたりでは見かけない。だから長野で、北海道で、けぶるような雪の山を見たときには、美しさに惹かれながらも異郷にいることをしみじみと感じた。



異郷といえば、去年は公私にわたって旅をすることが多かった。

南と北では山の表情が違う。緑の濃いこちらの山々に比べて、北上するに従って木々の種が変わりどんどん山が繊細になっていくようだった。夕暮れも早い。3時を回ると太陽からしだいに力が失せ一気に夕暮れになるよう。旅が好きなのは変わらないのに、年を取ったからなのだろう、見るもの見るものに心躍りながらも身体の芯がどこかひんやりして、旅を終えて新山口駅で眉の濃い南の顔と出会い、山口弁のイントネーションの中に混じるたび、ああ戻ったと安堵するようになった。



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身を寄せて巣穴に眠るものの上に雪降り沈み雪降り積もる


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# by minaminouozafk | 2018-01-18 06:15 | Comments(7)

1月14日(日)のCOCOON第10回批評会は、

スペシャルゲストに高野公彦さんを迎えて開かれた。


これはほんとうにスペシャルで、

高野さんは、出席者全員の作品に評をくださったのである。


その中で、批評で大事なことは〈解釈〉であること

〈解釈〉を抜きには評として成立しないことを繰り返し説かれた。


もちろん、高野さんの評そのものが、その実践であったから、

私たちはその理論と実践の展開を目のあたりにすることになったのである。

なんと贅沢なことであったか。


高野さんのまとめの評の前に、一人か二人の評者がたつという進行。


私たちの解釈が甘いところには、例えば、

「~と言いましたが、その主語は誰ですか。この歌から分かりますか」

などのような質問が放たれることもしばしば。

空気が締まったこと、言うまでもない。


つまり、

私たちは歌の評をしてもらっただけでなく、批評の仕方をも教授されていたのである。

そのときあがった注意点問題点をいくつか書いてみよう。


◇一首の独立性の問題

◇一首において必要な情報の有無

◇一首におけるイメージの分量

◇オノマトペのほどよさ加減

◇句跨がり問題

◇読者の負担になる語の使用の問題

◇描写と把握


などなど、である。


途中、

「厳密なヨミをする人達のヨミが集まってはじめて名歌になる」とも言われた。

厳しくも清々しい言葉と聴いた。


いつもの批評会とはまた違った緊張感につつまれて時間は過ぎていった。


ところで、

東京歌会を知る人には、どうやらこの日の高野さんはおだやかに映ったようである。


以下、歌会終了直後と休憩中の写真いろいろ。



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          ↑大松さんと高野さん

          ↓こちらの高野さんのほうが断然楽しそう~


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  一月の東京の空まぶしくて来世でもまた歌を詠みたし



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                  この度も、

        批評、感想などのお便りを寄せてくださったみなさま、

              心よりありがとうございました。

                 励みになります。


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# by minaminouozafk | 2018-01-17 06:19 | Comments(7)

先週1月11日、86歳の母が膝関節のインプラント手術をした。結果は問題なく、あとは経過を見ながらリハビリの期間を過ごせばよいということで、とりあえず一安心。



先週は今季最大最長の寒波に襲われた日本海側。

実家も例外ではなく、めったに積もらない雪が路面を覆い、雪道走行に不慣れな私は移動の足を失った。

予定では、11日の手術終了後、福岡に帰り、12日の朝日カルチャーの短歌講座を担当して、再び日曜日に実家へ…という段取りだったのだが、上記の事情で断念。カルチャー事務局の方に連絡を入れ、休講にしていただいた。(受講生のみなさま、本当に申し訳ありませんでした。)



というわけで、雪まだ残る12日朝、母を見舞う準備をしながら見ていたテレビに、「歌会始の儀」。ああ、ここ何年か見たことなかったなあと、ついつい見入る。講頌の朗詠の生真面目さの中にそこはかとなく薫る「ゆる面白」い感じにはまり、テレビ画面から離れられなくなってしまう。


今年のお題は「語」。

全国から集まった歌数20453首。入選歌10首のうち、史上最年少12歳の佐世保の中学生「中島の由優樹」くんの作品がやはり素敵だった。


・文法の尊敬丁寧謙譲語僕にはみんな同じに見える

宮中歌会始の儀の会場松の間にあって、この1首。素直さが素晴らしい。日本語はこうして平たくなっていくのだなあ、と思いつつ、それを意識している中島君のような若者がいれば大丈夫などと考え直したりしたのだった。


そして、夫君を癌で亡くされた、福井の「川田の邦子」さんの作品。


・突風に語尾攫はれてそれつきりあなたは何を言ひたかつたの

講頌が「言いひたかつたの」の語尾を長く引き、それが「おおーお、おーお、おおーお、おーお…」とまるで風の中で響いているようで、朗詠が作者の悲しみを鮮明にしているようだった。歌のはじめは「訴ふ」。聴覚的要素は名歌の条件のひとつなのだと再認識。


そして、今回(あくまで個人的にですが)こころに残ったのは、選者5氏(篠弘・三枝昂之・永田和宏・今野寿美・内藤明)の代表として、内藤の明氏が詠進した1首。


・語り了へ過ぎにし時間かへり来ぬ春の雪降る巻末の歌


おお、これは、あの「いやしけよごと」ではないですか。まことに恐縮ながら1月2日の拙ブログで取り上げた家持の作品。『万葉集』20巻4516首の掉尾の1首である。


内藤明氏は、「まひる野」所属。早稲田大学社会科学部・社会科学総合学術院教授で、万葉学者でもある。早稲田大学在学中は武川忠一氏の「短歌研究会」に所属し、われらがゆかりさんとも活動をともにされ、親しい間柄と聞く。個人的には、歌論にも注目すべき歌人であると思っていたその人が、新しい年を占う歌会始において、自分と同じ歌に焦点を当てていたという偶然がなんだかとてもうれしかったのだ。


ただ、内藤氏と私ではこの1首に寄せる思いの深さは全く違う。解説によると、内藤氏はご自身の主宰する万葉集の講読研究会で、20年もの月日をかけて4516首を読み終えられたという。「語り了へ過ぎにし時間」の重さを考える。2日のブログで、「家持が大巻の掉尾に置いた気持ちがなんとなくわかる…」などと書いた自分が恥ずかしい。それはまさに、内藤氏にこそふさわしい胸中であったのだ。


昼近くになってもまだ降り続く春の雪。

今日、この1首に出会えた幸を思う。平成の御代の歌会始も、思えばあと1回を残すばかり。善き方へ進め…。家持の声が朗詠の向こうに聞こえたような気がした。



手術せし母をことほぐ春の雪あたらしき生たまはるごとく

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*内藤明氏については解説不要かと存じますが、東郷雄二氏のウェブサイト「橄欖追放」に詳細な歌人論・作品論が書かれています。ぜひご一読を。


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# by minaminouozafk | 2018-01-16 08:17 | Comments(7)

已己巳己  百留ななみ

忌宮神社も新年のよそおい。注連縄もあたらしくなり絵馬も掛け替えられた。

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伊勢神宮の五十鈴の箱に平成戊戌とある。つちのえは十干の5番目。十干と十二支を組み合わせると60種類となる。だから戊戌の年は60年に一度しか巡ってこない。平成では一回だけの戊戌なのだ。60年で暦が一回りだから60歳が還暦。壬申の乱や戊辰戦争など思い出されるが、戊戌(ぼじゅつ)は思い当たらない。調べてみると高野長英の著書に『戊戌夢物語』というのがあるらしい。


十干と十二支は木火土金水の五行に分類され、戊も戌も土。戊と戌、漢字も非常に似ている。部首はどちらも、戈(ほこづくり)。戈(ほこづくり)は、ほこ・武器、武器を用いることに関する漢字となる。


十干のは矛の古字で、象形文字。おののような刃がついた戈。まさかり。借りて、十干のつちのえの意味にあてるとあるのだが・・・。象形文字は絵に表したものなので「ほこ」はわかる。

十二支のは「戊」に「一」をプラスした形声文字。一の文字に戊で断つの意味をあらわし、転じて十二支の第十一位に用いる。形声文字は発音を表す漢字と意味を表す漢字が組み合わさったもの。読み方のジュツは・・・

もうひとつ似た漢字にがある。人+戈の会意文字。のジュと読み武器を持って守るという意味。会意文字は二つ以上の漢字を意味の上から組み合わせたもの。これは人が戈を持つから守るとなるのは納得。

平成のも戈づくり。戊+丁の形声文字。丁は、くぎづけする・平定するの意味。まさかりで敵を平定することから、ある事がらがなるの意味。



先週はこの冬いちばんの寒波。のんびりと炬燵にこもって漢語林をめくってみた。久しぶりの紙の辞書はたのしい。活字でも間違えそうなのだから、筆書きでの識別はたいへんそうだ。



本棚をながめていると古い漢和辞典の字源を発見。簡野道明著の大正時代のもの。祖父が買って母も使っていたようだ。うしろの付録の部分に『草字彙・隷法彙纂』がある。


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興味深い。一字一字にそれぞれの書体が載っている。一字ずつでも解読が難しいのに文章になるとお手上げ。活字に今も簡単に変換されていく。ワードの書体には草書、隷書ともにない。やっぱり昔の人はすごい。祖父も使っていたのかもしれない。しばらく古い辞書との時間。


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そういえば辰年生まれだが十干は知らない。こんな時はネット検索。昭和39年は甲辰(きのえたつ)せっかくだから覚えておこう。その他はと探すのだがスマホの画面は長時間は不向き。漢和辞典にもないので高校生のころから使っていた旺文社の古語辞典をひろげる。付録のところに十干、十二支の組み合わせ表がありました。一番の甲子(きのえね)から六十番の癸亥(みづのとゐ)までながめていると戊戌以外にも似た漢字を発見。己巳(つちのとみ)と甲申(きのえさる)おもしろい。



そのあと何気なく己巳のネット検索をしていて出会った四字熟語。

【 已己巳己 】

微妙に異なる4つの漢字。2番目と4番目は同じ。

【イコミキ】 と読んで、お互いに似ているもののたとえ。ちゃんと三省堂の新明解 四字熟語辞典にも載っているらしい。用例として「あの母子はまさに已己巳己、顔ばかりか声まで似ている。」

雪のちらつく寒い午後がゆたかになった気分だ。



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   字源の付録の動物図から。アバウトなリアルさがかわいい。



已己巳己の里芋六つ手羽先とこつてりと炊き小正月待つ





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# by minaminouozafk | 2018-01-15 05:00 | Comments(8)