雲にご注意  大野英子

今月の墓参りの途中。
福岡は快晴、本格的に夏だなぁ、と九州自動車道から積乱雲に育ちそうな雲を撮る。

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あららと思う間に下方の雲が雲を吐き出すように増えてゆく

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不審な雲はどんどん大きく育ってゆくーー

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須恵パーキングエリアのコンビニに立ち寄っている間に空は暗み、稲光、そして雷鳴が。
車に乗り込んですぐ、大粒の雨がフロントガラスを打ち始める。

   車ごと空の怒りの打ち付けの雨に完全包囲されたり

墓参りはびしょ濡れ、でも掃除要らずかな、などと連れと話していると、太宰府インターを出る前にぴたりと止む。
いや、止んだのではなく、抜け出したのだ。
局地的雨。
のちに確認すると、この日は市内も降っていないとのこと。
太宰府もカラカラ。

   蝉さえも黙る真昼間じゆわわわん水乾きゆくちちははの墓

数日後、仕事帰りの夕空。

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またしても不穏な雲が・・・
博多では、昔から背振山に雲が掛かると雨が降ると言われている。
方向は背振。この日の天気予報は、夕方局地的雨に注意と言っていた。
昔の夕立とは完全に異なる近頃の雨。降雨が被災地でないことを祈った。
「何十年に」「数年に」一度の、と言われるような豪雨が数日の間に北上しながら被害を拡大させた。

まずは、雲にご注意。

   遠景の山々を厚き雲おほひみづきゆきたる日本列島


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# by minaminouozafk | 2017-07-28 07:08 | Comments(1)

山口県の東を巡る小さな旅をした。

訪れたのは柳井。江戸時代は岩国藩のお納戸呼ばれ、明治以降も商業の町として栄えた町。白壁の町並みはどこか懐かしく、初めての場所でないような錯覚にとらわれる町。


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町並みの店々の軒に吊されているのは金魚ちょうちん。

ありなしの風にゆらゆらと揺れる赤い金魚たち。


金魚ちょうちんは幕末の頃に、青森のねぶたをヒントにして作られたという。赤い色は伝統織物の「柳井縞」の染料の色。

愛らしい姿を目で追いながら通りを進むと、ひと際目を惹く金魚の群れ。



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この金魚ちょうちんを広めたお一人の故河村信男さんの工房だった。中に入るとやわらかな笑みをたたえた河村さんの写真が飾られていた。


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ちょうちん作りの体験ができるというのでお願いする。教えてくださったのは河村先生の奥様。
しゃきしゃきとして活気のある方。

     

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まず、和紙の張られた胴に目玉を貼り付ける。このときやや寄り目くらいの方が可愛らしいとか。

  

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目玉のまわりにくるりと朱を入れ、表情を…。

胸びれ、尾ひれに朱で模様を描いて、胴に貼り付けて完成。

風の通う奥の座敷で、お話を伺いながらの20分はゆったりくつろいだひとときでもあった。



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目の周りがちょっと滲んでるけれど、自作の金魚ちょうちんは嬉しい!



毎年8月13日には「金魚ちょうちんまつり」が開かれ、柳井の町は賑わうという。夜には灯が点り幻想的な風景が広がるとも。金魚ちょうちんは迎え火でもあるのだろう。



南風(みんなみ)にしつぽの端をくすぐられ金魚ちやうちんくふくふ笑ふ

幾千の金魚ちやうちん灯る夜を黙ふかく戻る旅びとあらん


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# by minaminouozafk | 2017-07-27 05:00 | Comments(6)

年輪  有川知津子

珍しいものが届けられた。

あまりにも珍しいので、お目にかけたく思った次第。

それがこれ。


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白っぽい。長いところで10センチほど。

実は、これ――と、

これが何か書こうとして、にわかに躊躇いがきざす。


お食事中のひとがいたらご迷惑かも、と思ったり、そうでなくても、

可憐な神経の保有者ならばあるいは、いたたまれない気持ちに包まれてしまうかも、

と思ったり……


ああ、何かいい方法はないかしら、とつぶやいたところ、

こんな方法があることを教えられた。More機能!



この不思議な造形をした物体は、



More(答えを見ても大丈夫そうな方はどうぞ~)
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# by minaminouozafk | 2017-07-26 06:10 | Comments(7)

1967年5月3日。

これが誰の誕生日か、おわかりの方いらっしゃるだろうか。

 

 

正解は

 

リカちゃん。

 

といっても、青森の美人ではない。

 



 

香山リカ。



日本の女子の部屋には必ず1人はいたであろう、永遠の11歳。

日本人が思い描く美少女といえば、まずリカちゃん。



 

 

かく言うわが家にもリカちゃんがいる。

それがこちら。

 

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1992年、リカちゃん誕生25周年記念に2500体限定で造られたプレミアムリカちゃん。うちのリカちゃんはNo.0837。顔はマイセン製、衣装は上質な深紅のベルベットである。

 



 

これを購入したのは、当時38歳・独身の夫。買い物に立ち寄った小倉いづつ屋の催事で見かけ、そのまま購入に至ったのだとか。このように書くと、ちょっと怪しい人のようだが、話には続きがある。



 

 

このプレミアムリカちゃんには、25年後の50周年パーティに参加できる招待状が付いていたのである。38歳・独身の男性がリカちゃん50歳を祝うパーティに興味を持つというのもまあ、なんだかな・・な感じではあるが、でも、なかなか食指をそそる企画ではある。企画力がモノを言う業界人として、この25周年リカちゃんを看過できなかった夫の気持ちもわからないでもない。

 

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そういう訳で、リカちゃんは私より長く夫に連れ添っている。私が容赦なく加齢する横で、永遠の美少女を生きている。もうすでに娘より幼く見えるではないか



 

 

しかし2017年、気づけば今年はリカちゃん50歳。

お誕生日のパーティの招待券が届くはず・・・



そう心待ちにしてはや7か月。

7月17日のLINEのトップニュースに浦安の舞浜アンフィシアターで、25年前の約束を果たすパーティが行われ、大盛況だったことが報じられていた。


 

 

ええ、なんで?

うちには何も届いてませんけど。

気になってネット検索してみると、3月22日の東京の松屋を皮切りに、全国で記念展やパーティが開催されている模様。



 

 

タカラトミーさん、これはどういうことなのでしょう?

小倉井筒屋さん、うち、引っ越してませんよ。

引っ越したときはご連絡下さい、としか書いてありませんけど、パーティに参加するにはまた別に申し込みが必要だったのかしら。



 

 

四半世紀、約束を待ち続けたなんて、赤猪子なみの実直さ。この熱意、どうか誠意をもって応えていただければ、と思うのです。(ま、パーティに行くのは私なんですけどね。)



 

 

ドレスより馬車よりガラスの靴よりも招待状がまづ届かない



 

 

リカちゃんのママに似てると言はれしがビミョーな感じ三十年前


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# by minaminouozafk | 2017-07-25 06:35 | Comments(7)


ひさしぶりに、〈こどもの広場〉に行った。

こどもの広場 とは、下関市唐戸にある子供の本の専門店だ。


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はじめて行ったのは28年前のちょうどこのころ。


 今日のように暑い中、生後8ヶ月の長男を抱っこして、新聞記事の切り抜きを片手に汗だくで〈こどもの広場〉を探していた。記事の住所にはお店はなくて、公衆電話から記事の電話番号をダイヤルすると「ちょっと前に移転したのですよ。すぐ近くですからどうぞ。」と丁寧に道順を教えていただいた。たいした距離ではないが、真夏の抱っこでやっと辿り着いた感じ。


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 店内は靴を脱いで入る。素足に気持の良い木の床。抱っこ紐から開放されて息子は元気にハイハイをはじめた。そのとき購入したのは、ブルーナの0歳からの本と 「きゅっきゅっきゅっ」「がたんごとん がたんごとん」いずれも落書きや補修のあとはあるがまだ子供部屋の本棚にそのまま。


 それから10年以上長男、二男と一緒になんども通った。木のおもちゃもあり、自由に本が選べる空間は私の癒やしの場であったと思う。


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 なつかしく子供部屋の本棚をながめていると、息子たちが選んだ本に混じって、私が母に買ってもらった本もたくさんある。

几帳面な母は購入の月日や名前も記入している。




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 「あおい目のこねこ」もぼろぼろだが捨てられない。1の巻から7の巻までテンポがよくて何度も母にせがんでよんでもらった。マチーセンのシンプルな絵も大好きだった。青い目を笑われた子猫がネズミの国を発見して、青い目だってへんてこじゃない、とっても素敵と黃色の猫の仲間に入れてもらう・・・けっこう奥がふかくて今でも元気がでます。



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 もちろん息子たちも、ジョージとかカロリーヌとか大好きだった。ジョージは新旧ある。ずいぶんバザーとかにも出したつもりだが、捨てられないのがまだまだたっぷり。


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左は1994年発行  右3冊は昭和45年発行

 私の記憶のファーストブックは「うさこちゃんとうみ」

なぜ、うさこちゃんは女の子なのに海水パンツ?

なぜ、うさこちゃんの口はいつも × ? ずっと疑問だった。

 本棚のすみに「うさこちゃんとうみ」 も見つかった。なつかしい!

そのそばに、手作り絵本を発見。

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 「まっくろになったうさこちゃん」 

そういえば小学一年生の夏休み、うさこちゃん大好きだった私はパクリの絵本を作ったのだ。

祖父母の家に遊びに行った自分の夏休みのことを、うさこちゃんにしただけ。ほとんど絵日記。うさこちゃんの目が上手く描けずにやり直しているうちに、あ~んという目になった情けない気持ちを思い出した。

でも母に製本を手伝ってもらい、1冊の本に仕上がってとってもうれしかった夏の思い出です。


 捨てられない絵本たち。50年なんてぜんぜんへっちゃらです。


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ひさしぶりのこどもの広場訪問は、この春に生まれたみどりごのファーストブックを選ぶため。

「うさこちゃんとうみ」も「きゅっきゅつ きゅっ」も揃っている。素足の床の感触が気持ちいい。加古里子のだるまちゃんシリーズもある。岩波少年文庫もなつかしい。ゆっくり手にとって、しばしタイムスリップ。



いろいろ迷ったが、お店の人と相談して最近の3冊を選んだ。プラス若いママに俵万智の「生まれてバンザイ」を。

読み聞かせのサークルから偽善っぽい自分が嫌で距離をおいて、絵本からも遠ざかっていた。

でも、やっぱり絵本が好き。しあわせな時間、また遊びに来ます。

バンザイの姿勢で眠りいる吾子よそうだバンザイ生まれてバンザイ

私から生まれ私に似ているが私ではない私のむすこ

俵万智



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木のにほひ本のにほひをたつぷりと絵本をえらぶ準備体操

ななみ



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# by minaminouozafk | 2017-07-24 07:58 | Comments(8)


梅雨明けからまだ3日、なのに暑い。熱帯夜が続いている。

わが家のキッチンは建物の西と北の角にあたる。
午後3時ころには日差しで窓ガラスが熱を持ち、床もじりっとする熱さになってしまう。

その解消のためにと植えたのが始まりで、毎年夏の間は、家の北側と西の一部はグリーンカーテンに覆われることになった。

今年もグリーンカーテンの苦瓜の蔓が良く育ち、実も生りはじめた。

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                              家の中から見たグリーンカーテンの苦瓜
 


                             上の写真の窓を外から見ると
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グリーンカーテンに育つ苦瓜は、洗面所の窓から家の中を見ているようだ。だんだん大きくなるのを室内から眺めるのは楽しい。もちろん大きくなれば食べてしまう。

今年は風船かずらも一緒に植えてみたが、こちらは窓に届くのにまだしばらく時間がかかりそうだ。それでも米粒ほどの花を付けている。


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                                     花の径は5ミリ足らず

大きさは違うが、苦瓜と風船かずらと葉のかたちが似ている。

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                                 風船かずら、グリーンカーテンとは別の鉢


戸外から戻り、緑の葉影の見える部屋に入れば、涼しげでホッとする。
とはいえ、外出中締め切っている部屋の暑さは相当なものなので、クーラーをすぐに点けてしまうのだが。
そんなで、それほどエコに貢献しているとは思えないが、毎年みどりの葉陰で過ごす夏を楽しみにしている。
今から苦瓜が枯れるまでの2か月ほど、良い日影を作ってくれるこのグリーンカーテンは家族の眼と舌を喜ばせ、守宮たちの棲み家になってくれるだろう。
夕食の後で歯を磨きに洗面所に行ったら、窓の中央に下がる苦瓜の実が朝より大きくなっているように見えた。

苦瓜の葉のいろ透けるキッチンの窓で守宮が羽虫を捕らふ

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# by minaminouozafk | 2017-07-23 07:00 | Comments(6)

朝倉市、日田市などに大きな被害を与えた今年の梅雨が、関東や東海地方に遅れて20日にようやく明けた。これからの猛暑に、水さえ十分に出ない被災地の方々のご苦労はいかばかりかと思う。

わが家は那珂川という川のすぐそばに建っている。那珂川は源流を背振山に持ち博多湾まで、主に福岡県を流れている延長35キロほどの二級河川だ。この場所は博多湾まで10キロあまりで、先には九州一の歓楽街と言われる中洲がある。すぐ近くには「老司の堰」という昔からの堰もあって、整備された河畔公園の桜並木や堰の様子に四季の変化を感じることができる。この堰は約四百年前の福岡城築城の際に創られたと言われており、脇から取水した老司川の用水路としての役目だけでなく、敵に攻め込まれた時にこの堰を切って落とせば低地部は水浸しとなり進路を阻むという役目もあったと記されている。取水口の石井樋の裏には福岡市の保存樹木の下に大日如来が祀られている。


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梅雨も明けた昨日、堰の近くを通ると激しい暑さの中その上で水浴びをしている鳥がいた。川鵜だろうか、一羽は大きく羽を広げて水面からの涼しさをその身体いっぱいに取り込んでいた。決して緩い流れではないので、はたから見るよりはかなり頑張ってとどまっているのだろう。


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少し離れて遠くから見る堰の景色が好きだ。古い堰だからか、間には草が生い茂り、絵心のある人であれば題材にするのではないかと思うほどの味のある風景だ。

四方を海に囲まれ狭い国土にたくさんの河川を持つ日本だからこそ、先人たちは有効に利用しながらも畏怖の念を忘れずに町や村を守ってきたに違いない。

先人の知恵に災害から得た教訓を活かし、進歩した技術をもって変わらない水辺の風景が受け継がれることを願っている。


白昼の蟬声かさなり堰落つる水の飛沫とめうにコラボす


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# by minaminouozafk | 2017-07-22 11:42 | Comments(6)