家人が3月始めに植え、葉を取っては食べていたサラダ菜(チシャ)がこのところ急に丈高くなり、薹が立ってきた。頂上に面積の広い蕾群が現れ、極小の蕾が多数付いている。



どんな花が咲くのかと、楽しみに待つこと数日、ある朝8時半に見たら、菊に似た黄色の、直径1センチほどの花が数輪咲いていた。ところが、昼にはもう花は見えない。あれれ?なのだ。





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そこで翌日、朝7時半から30分おきに眺めてみる。


  7時半、まだ開く気配もない。

  8時、数輪花が細く開き始めた。

  8時半、10輪ほど全開で咲く。

  9時、半分閉じ始める。

  9時半、すべて閉じている。

まるで朝顔のような花、いえ、朝顔よりも早く閉じてしまう花だった。



別の株に直径1センチほどのタンポポの綿毛に似た種ができているのにも気が付いた。

なるほど、サラダ菜は菊科の植物だということがよく分かる。
アブラナ科だと思い込んでいたので、ちょっと意外だった。



ちなみにレタスとサラダ菜の違いは、結球するものがレタス、しないものがサラダ菜だそうだ。

驚いたのはレタスの花の花言葉、なんと「牛乳」。

いろいろ驚かせてくれたサラダ菜だけど、毎朝シャキシャキの美味しいサラダを提供してくれた。

もう、何年も家人が植え続け、葉を沢山食べてきたのに、サラダ菜やレタスのことを今まで知ろうともしなかったことを反省する。

ごく身近なものにも謎がある。知ろうとしないと、何も見えないものだと改めて思った。

   うまき葉を日々にくれたるサラダ菜の
          小さき黄の花ときの間を咲く




〈おまけ〉庭に今咲く花ふたつ

 
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キウイの雌花、直径4センチほど

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やらず豆の花。約1センチほど





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# by minaminouozafk | 2017-05-28 08:38 | Comments(0)

屋根の上 栗山由利

 昨日は短歌のカルチャー教室が終わってから、天神に出かけた。昼下がりの警固公園は、木陰で日差しをよけながら遅めのお昼ご飯を食べている人やベンチで横になっているサラリーマンがいて、渡辺通りの車の往来を遠くに感じるほっとした空間だった。

しかしながら、ビルの壁に反射する午後の日差しは強く、確かに夏が近づいているようである。


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 紫外線の量は真夏の7月、8月よりも5月のほうが多いと聞く。確かに太陽光パネルの働き具合を見ていると、一年のうちで5月がいちばんよく働いている。2010年の10月からいま現在までの総発電電力量は14,491kwhになった。これが多いのか、大したことはないのかは分からないが、少しはCo2の削減につながってはいるようだ。それにもう一つ、毎月数千円ではあるが電力会社からの振り込みがある。こちらの数字の方が私としては具体的に目に見えて実感できる。

設置して六年と半年でこの5月、初めて売り電力が買い電力を上回った。屋根の広さに見合っての設備なので大きな金額ではないが、やはりうれしいものだ。売りが8,784円で買いが7,331円。差し引き1,453円の黒字になった。これは天候がどうのこうのよりも、私たちが年を取って夜更かしをしなくなったのが一因ではないだろうか。逆にこの先もっと年を取れば、熱中症対策にエアコンをつけたりして消費電力は上がるだろう。もしかすると貴重な今年の5月になるかもしれない。


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 今日もよい天気だ。屋根の上では太陽光パネルがしっかり仕事をしている。その軒先には餌を待っているチュン太くんやぴー子ちゃんたちがいる。さあ、朝ご飯をやってきましょう!


  軒先に餌まつ雀の声がして壁の影三つ羽づくろひする


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# by minaminouozafk | 2017-05-27 10:28 | Comments(6)

先週末も実家の草取り。洗濯物を干し終えた空。

ひと

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りで迎えるバースデーは青空が祝福してくれました。飛行機雲のよたよた感が私に相応しい。

一年のうちで、たぶんいちばん良い季節に生を与えてくれた両親に感謝。

そして、いよいよ、雑草が勢いづく季節がやってきた。

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左は茎の中心の切れ込みを根元深く差し込むとテコの原理で根っこごと、すぽんと抜ける。大物の手応えや、湿り気のある早朝の土から長々と現れるドクダミの根の引き具合が堪えられない。

右は、コンクリートの割れ目や、石の脇に生えているものに有効。

斜めに差し込むと、根絶やしには至らないが、気持ち良くすくい取れる。密集した雑草の根っこに差し込んでざくざく耕すように使うのも有効的だが、時々、添えた左指もざっくりと流血騒ぎになってしまうので、要、注意。

朝、実家で目が覚めるとき、ドクダミの根っこをずぶずぶと引き上げる感触が蘇って私を奮い立たせる。

小池光の草取りの歌に惹かれる。

植物の庭の繁茂と戦へり負けるな負けるなと言ひきかせつつ

庭の草取るにしばらく汗ながす午前中から死者をおもふな

家裏のどくだみ群落はきみを苦しめききみなきいまはわれが苦しむ

『思川の岸辺』

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この季節のもう一つの仕事は、花の後に生い茂る葉を束ねる事。こうしておくと覆われていた場所の雑草も逃さずすっきり抜け、見た目も涼しげ。

忘れたきなにかを背負ひ向き合ひぬ春夏秋冬庭のあらくさ

山鳩の声が空気を重くする裏庭でどくだみの根を引く

珍入者はわれなのだらう長き尾を揺らし揺らして逃げるカナヘビ

束ねゆく葉のあひ抜けるはつなつの風に息つく土とわたくし


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# by minaminouozafk | 2017-05-26 05:49 | Comments(7)

ポスト  鈴木千登世


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家から歩いて数分の所に小さなポストがある。地区の公会堂の敷地に立つポスト。集配は一日一便で、あまり利用されているようには見えなかった。

ある日、そのポストが横倒しになっていた。撤去ですか?と、作業している人にどきどきしながら伺ったら、新しいものと交換するのだという。小さなポストだけれど、いつも手紙が入っているという。

もよりの郵便局まで2キロ以上あるこのあるこの地域。お年寄りも多い。この小さなポストにみんなが手紙を託していたのだ。



高野さんの歌を思い出した。

近所(きんじょ)()きのサンダル履きてポストまで夜半(よは)の月光区を歩みゆく   高野公彦 『流木』


短歌の原稿は、中央郵便局から投函する。すっぴんの真夜中のドライブもしばしばで家人からあきれられている。

親しい人への手紙はこのポスト。野の道をゆっくり歩いて出しに行く。田んぼに水が入り、空気の潤うこの季節。ゆらゆらと手紙を出しにゆく。ポストの口に入れる一瞬、いつもふっと頼りない気持ちになるのはなぜだろう。くらがりに呑み込まれるはずもないのに、コトリという音を聞くと深い安堵に包まれる。



思ひ秘むる手紙をしまひほのほのとぬくもりをらむ野辺のポストは



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# by minaminouozafk | 2017-05-25 06:05 | Comments(7)

川瀬巴水に「井之頭の春の夜」という画がある。

数日前、アマゾンのロゴの入った箱が届いた。(アマゾンからではなかったけれども)

箱の中には、『巴水の日本憧憬』(2017年3月 河出書房新社)が入っていた。

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                  画・川瀬巴水

                 文・林望
                特別寄稿・川本三郎

この画文集は春夏秋冬という伝統的配列をもち、その1番目が「井之頭の春の夜」であった。

リンボウ先生の文章を引こう。

  井の頭公園は、大正六年に開かれたとある。してみると、巴水がこの「井之頭の春の夜」
  を描いた昭和六年三月三十日は開園してまだ十三年しか経っていない。なるほど、ここに
  描かれた池畔の桜はまだ若木のようだ。(「絢爛たる静寂」)

桜は月光を受けて、水面に姿を映している。
この画のことはすっかり忘れていたので驚いた。

巴水は明治16年生まれ。茂吉は前年に生まれているが、白秋はまだ生まれていない。

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ところで、井の頭。

月に一度詠草を送る井の頭。月に一度そこから歌誌がとどく井の頭。

「三鷹市井の頭」と書くと自動書記装置が作動し、
自然と「1-2-17」と書けてしまうのは私だけだろうか。

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          実桜は人なつつこく光りをり小林郵便局のほとりに






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# by minaminouozafk | 2017-05-24 06:17 | Comments(7)

「カツラばかぶっとおったい!」


禁断のカミングアウトではない。


正体は、これ。



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テレビCМで話題になった、Amazonのライオン犬。

このライオン犬を写真におさめている人々の中に響きわたったのが冒頭の一言。

このセリフが予想外に人々をざわつかせたのは、ここが博多ではなく、今話題の銀座6丁目、GINZA SIXの前のホコ天だったから。




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先週金曜日、朝日カルチャーの講座を終えて、夕方の便で上京した。大学に通う娘が、インフルエンザに罹り、モノモライまでできたらしく、かなり気持ちが落ちているようだったので、とりあえず様子を見て来ようと思ったのだ。

訪ねてみると娘は案外元気で、翌日土曜日は2人で銀ブラ(古いな)しようと出掛けたのだった。



ふるさとの訛りなつかし停車場の人ごみの中にそを聴きにゆく


あまりに有名な啄木の一首。

私の耳をすり抜けていった博多の言葉に、娘の耳は鋭敏に反応した。

しっかりと抑揚のついた、母音の韻きが明るい南の言葉。

シックな街並みの中で聞くそれはたしかに場違いで、はからずも衆目を集めてしまったけれど、でも、その言葉を耳にした人はみんな楽し気に笑っていた。




「カツラばかぶっとおったい!」

銀座で聞く博多弁。

その日一番の笑顔を娘に下さった、見ず知らずの博多民に感謝です。




トウキョウに少し疲れた子の耳に極彩色のみなみの言葉



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六本木ヒルズ展望台で開催中のマーベル展へ。
娘はアメコミファン。



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GINZA SIXのEMIT FISH BAR
こだわりの魚介のお店。
海洋深層水で育てた牡蠣は臭みがなく、プリプリで絶品。



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# by minaminouozafk | 2017-05-23 01:49 | Comments(7)


いつもより少し上流にむかって壇具川沿いきらきら新緑のなかを歩く。


ハングルや中国語もこのあたりでは聞こえない。

アザミのまわりを紋白蝶が舞っている。

四十雀のさえずりがたのしい。

やがて人家は途絶え道は行き止まり。


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川底をアオサギくんが歩いている。一歩一歩ゆっくり懸命に前にすすんでいる。

ちょっと上流までお散歩かしら。


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思わずカメラを向ける私も眼中にないように一歩一歩。


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早瀬もなんのその、しかと前進あるのみのアオサギくん。

だんだん早瀬が1メートルほどの滝川となる。


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小さな滝も頑張って登って行くのかしらと見守っていると・・・


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いきなり翼をひろげ水面すれすれの低空飛行。


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そうだよね。翼があるんだよね。

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ぎりぎり小さな滝川をクリアーすると再び一歩一歩。


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カメラ片手の私を振り向きもせず夏草の茂る浅瀬をすすむ。


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そのまま草の浅瀬に姿を消した。

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なんだか不思議な気分に包まれたがカメラににはちゃんと青鷺くんが。

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まぼろしではなかった。


取り残されてしばらくして、ふと思った。


もしかしたら、アオサギくん翼を負傷していたのかもしれない。だから、渾身の力でぎりぎり低空飛行。かたくなな一歩一歩はそのせいかも。たぶんアオサギくん、もともと飛行は得意ではない。もしかしてこの小さな川から脱出できなくて、ずっとひとりで川底暮らし。


なんて勝手な妄想をしてしまって青鷺くんごめんね。でも一歩一歩がんばって前にすすむことを教えてくれてありがとう。



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一歩一歩浅瀬をすすむ青鷺あり翼もつこと羞ぢらふやうに

ななみ



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# by minaminouozafk | 2017-05-22 09:17 | Comments(7)